研究課題/領域番号 |
21K12217
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研究機関 | 気象庁気象研究所 |
研究代表者 |
折笠 成宏 気象庁気象研究所, 気象予報研究部, 室長 (50354486)
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研究分担者 |
田尻 拓也 気象庁気象研究所, 気象予報研究部, 主任研究官 (40414510)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | エアロゾル・雲相互作用 / 雲凝結核 / 氷晶核 / 混合状態 |
研究実績の概要 |
実大気中に含まれるエアロゾルの混合状態は多様であり、雲凝結核/氷晶核特性への混合状態が与える影響を解明するため、雲生成チェンバーや地上モニタリング観測システム等による室内実験、詳細雲微物理ボックスモデルによる比較検証を実施している。 先行研究として、混合状態が与える影響を調査する室内実験、混合状態を表すモデル化の研究を文献調査した。粒子種別だけでなく測定手法の違いによる限界、共通した概念モデルの困難さという高い障壁はあるものの、まずは基礎的な室内実験から始めて我々の理解を徐々に深めていく必要性を実感した。 これまで得られた各種エアロゾルのほか実大気エアロゾルの雲核能・氷晶核能に関するデータ再解析、混合状態の粒子生成方法のテスト実験、詳細雲微物理ボックスモデルによる雲粒・氷晶生成について初期エアロゾル分布の違いによる感度実験を行った。また、PCVI装置と氷晶核計を組み合わせた雲残渣粒子分析手法を製作し、粒子採取の性能テスト実験を行った。 エアロゾル2種の内部混合と外部混合による基礎実験データを解析し、雲粒・氷晶生成の違いに関する結果を考察した。特に内部混合は雲粒生成・氷晶発生がより複雑なシナリオで起きているため、粒子生成方法による違いが雲凝結核能/氷晶核能の促進あるいは抑制にどの程度影響を与えるか基礎的な実験をより詳細に行った上で、実大気エアロゾルで起こり得る混合状態かどうかの検討も行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1年目は主に予備実験、テストランを行うことが計画であるが、粒子生成方法を確立するまで達成していないものの概ね達成している。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、雲生成チェンバーや地上モニタリング観測システム等を用いた室内実験を行い、粒子タイプやエイジング方法を変えた基礎実験まで行った上で発生方法を確立し、本実験を行う。それと併行して、ボックスモデルの比較検証も引き続き行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
成果発表がオンラインとなり旅費節約となった。 オゾン発生装置およびオゾン濃度計の選定がやや遅れ気味であるが、次年度予算と併せて購入する計画である。
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