研究課題
本研究では、約半世紀に及ぶ日本周辺域のエアロゾルの長期変動を明らかにし、地球システムモデルの再現性の検証、そして、コロナ禍の影響を調べることを目的とし、気象庁の長期日射観測、環境省の大気汚染物質広域監視システムのデータ、SKYNET、AD-Net、衛星観測の解析を進めている。今年度は、各データの解析結果から得られた長期変動を定量化し、地球システムモデルとの整合性を検証した。また、コロナ禍による経済活動自粛の影響を調べた。観測から得られたエアロゾルの変動は、1930~1950年に停滞、1950~1970年に急増、1970~1995年に停滞か減少、1995~2021年に減少していた。それに対して、最新のエミッションデータを取り込んだ地球システムモデルの結果は、1970~1995年に観測と異なるエアロゾルの微増を示していたが、他の期間は観測と整合的な変動であった。特に、2005~2021年のエアロゾル光学的厚さの変動は、モデル、衛星、地上リモートセンシングの間で整合性が取れており、-0.04~0.09/decadeの減少傾向にあった。コロナ禍の影響について、緊急事態宣言が出ていた期間を経済活動自粛期間と定めて、地上リモートセンシングによって観測されたエアロゾル光学的厚さの変動を調べた。コロナ禍が始まった2020年3月に、札幌と福岡では光学的厚さの有意な減少が見られた。しかし、他の期間、地点では顕著な変動は見られなかった。このため、コロナ禍の影響は限定的であったと考えられる。
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すべて 国際共同研究 (6件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (19件) (うち国際学会 9件、 招待講演 3件) 備考 (3件)
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