研究実績の概要 |
静止気象衛星ひまわり8/9号に搭載されているマルチスペクトルセンサーAHIセンサは10分の高時間分解能で地球の半球を観測することができるため、雲コンタミの影響を回避することが期待できる。一方、陸域・海域に関する高次プロダクトにおいて、大気補正アルゴリズムは重要である。また、JAXA EORCではエアロゾルプロダクトの配布を始め、大気補正アルゴリズムの高精度化も期待できるようになった。本研究では、地上観測値および他衛星センサのプロダクトを用いたひまわり 8 号 AHI エアロゾルプロダクトの精度評価を示し、さらに大気補正アルゴリズムに入力した際の影響評価などを行った。 3か所の地上検証サイトにおいて、晴天下のSKYNETデータおよびTerra/Aqua MODIS MOD08_D3/MYD08_D3プロダクトとひまわり8/9号 AHI L2ARP, L3APRを比較した。その結果、SKYNETデータとの比較ではL3ARP Dailyのエアロゾル光学的厚さ@500nm(AOT@500nm)およびオングストローム指数(AE)が最も相関が良かった。 MOD08_D3/MYD08_D3との比較では、L3ARP Daily AOT@500nmはとはよく一致するが、AEはほとんど相関がなかった。また、地上観測で捉えられている黄砂がL2ARP, L3APRで確認できない場合もあることが明らかとなった。 また、ひまわり8/9号AHI L3ARP Dailyプロダクトをパラメータとすることを想定した陸域向け大気補正アルゴリズムのパフォーマンスを評価した結果、高いAOT@500nmおよび低いAEにおいて大気補正済反射率推定に大きな影響を及ぼす可能性があり、大気補正アルゴリズムではAOTおよびエアロゾルタイプを考慮する必要があることが確認できた。以上の結果を踏まえ大気補正アルゴリズムの改修を行った。
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