研究課題
本研究の目的は、環境評価生物であるメダカの胸腺をターゲットにして、放射線+αの異なる複数のストレスをメダカに与え、胸腺の萎縮の程度から、ストレス影響が現れるしきい値を検証することである。具体的にαは、A) 概日リズム障害、B) 化学物質、C) 心因的要因を想定している。A)概日リズム障害については、4日毎に8時間ずつ明暗サイクルを早める事で、胸腺の萎縮を確認しており、日照リズム変動ストレス下ではより低い線量で放射線誘発の胸腺萎縮が現れることが確認された。 B)化学物質については、昨年度亜ヒ酸を試し、胸腺萎縮への実験には適さないことを示している。C)心因的要因については、大きさの異なる2匹のメダカを同鉢で飼育する事で、心因的要因からの有意な胸腺萎縮が引き起こされることが観察され、放射線との複合影響、相乗効果について検証を行った。本研究の成果は、日本放射線影響学会第66回大会にて、「Appearance of radiation-induced thymic atrophy at lower doses under the stress of changes in the circadian rhythm. 日照リズム変動ストレス下では、放射線照射による胸腺萎縮はより低い線量で現れる」の演題で発表(ポスター)を行い、また、第29回小型魚類研究会では「Establishment of a biosystem for quantification of the radiation effects and its combined effects of radiation with other factors.」の演題を英口頭で発表を行った。
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Radiation Protection Dosimetry
巻: 199(10) ページ: 1110-1119
10.1093/rpd/ncad140