研究課題/領域番号 |
21K12260
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研究機関 | 鈴鹿医療科学大学 |
研究代表者 |
廣森 洋平 鈴鹿医療科学大学, 薬学部, 助教 (60515956)
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研究分担者 |
中西 剛 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (50303988)
松丸 大輔 岐阜薬科大学, 薬学部, 講師 (50624152)
目加田 京子 岐阜薬科大学, 薬学部, 会計年度任用職員 (40898235)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 核内受容体 / EcR |
研究実績の概要 |
本年度は、遺伝子データベースを元にEcR遺伝子の系統樹解析を行うと共に、軟体動物に分類されるムラサキイガイ(Mytilus galloprovincialis)および環形動物に分類されるPlatynereis dumeriliiのクローニングを試みた。 系統樹解析の結果、昆虫類、甲殻類、軟体動物に大きくグループ分け可能である結果が得られた。解析の結果から甲殻類EcRは、昆虫類に近いことが示された一方で、軟体動物は、脊椎動物FXR/LXRに近いことが示唆された。このことから、軟体動物EcRは、リガンドとなる化合物が昆虫類、甲殻類と異なる可能性が高いと考えられる。 環形動物、鰓曳動物に関しては、例数が少ないため、明確なグループ分けをすることができなかった。遺伝子データベースの検索を進めて、さらに解析を進める。 EcRのクローニングに関しては、こちらも遺伝子データベースを元にEcRに相当する配列を推定し、推定した配列を基にプライマーを設計し、PCRにより増幅を試みることで行った。その結果、ムラサキイガイはDBDおよびLBDに相当する部分をクローニングすることができ、全長をクローニングできた可能性が考えられる。Platynereis dumeriliiに関しても全長と推定できる部分をクローニングすることができた。さらに、これらの配列を基に組み換えタンパクを発現するプラスミドの構築を行った。また、哺乳動物細胞内で、EcRを発現するプラスミドの構築も合わせて行った。今後、これらのプラスミドを用いて検討を進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、核内受容体のクローニングの進捗が重要となってくるが、本年度の研究で、ムラサキイガイ(Mytilus galloprovincialis)EcRおよびPlatynereis dumerilii EcRの、全長と考えられる配列をクローニングできた。これにより来年度以降の検討をスムーズに進めていけるのではないかと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、引き続き系統樹解析を詳細なものにしていくと共に、クローニングできたEcR配列を基に、組み換えタンパクを作成し、どのような化学物質が結合するのか検討を進めていく。 また、節足動物と同様にRXRとヘテロ二量体を形成するかを確認していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
核内受容体のクローニングに時間と労力を要することを想定して、支出計画を立てていたが、比較的スムーズにクローニングを進めることができたことにより、次年度使用額が生じてしまった。 これらの予算は、クローニングした核内受容体の機能解析に使用する試薬の購入費用に使用する予定である。
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