現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2023年に本研究課題とほぼ同じテーマでなされた研究論文1)が発表された.すなわち,我が国におけるEVシフトが夏季のオゾン濃度に及ぼす影響について数値モデルによる予測を行ったものである.なお,当該論文の著者グループは本課題の申請者との間に研究上の関係はない.対象域が関東であり,光化学汚染の数値シミュレーションで使用している気象モデルと化学輸送モデルこそ本課題とは異なるが,方法論としては同じであり,数値モデルシミュレーションに関しては我々が過去に発表した論文も引用されている.当該論文では,本課題で予定していたバッテリー充電のパターン・EV化の対象車種・発電所排出量への読み替えなどの設定について妥当な設定がなされており,本課題でも同様な設定を行うこととなる.さらに,排出量の変化がオゾン濃度に及ぼす影響についても本課題と同じく光化学レジームを交えた考察が行われており,その意味では本課題の研究目的の相当部分は達成されているといえる.ただし,当該論文では人為排熱の変化など都市気候に関する解析は行われていないので,当該論文と視点が異なる部分の解析を行うことで研究全体の充実度が向上するものと考えている. 1) Kayaba,S., Kajino, M.; Potential impact of battery electric vehicle penetration and changes in upstream process emissions assuming night-charging on summer O3 concentrations in Japan, Journal of Geophysical Research; Atmospheres, 128, 22022JD-37578,https://doi.org/10.1029/2022JD037578.
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