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2021 年度 実施状況報告書

大気粉塵の炎症反応誘発性と喘息発作の関係の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21K12271
研究機関京都薬科大学

研究代表者

渡辺 徹志  京都薬科大学, 薬学部, 教授 (90182930)

研究分担者 松本 崇宏  京都薬科大学, 薬学部, 助教 (30780431)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードPM2.5 / インターロイキン33
研究実績の概要

大気中の微小粒子状物質(PM2.5)のインターロイキン33(IL33)誘導能を明らかにするとともにIL33誘導能とPM2.5に含まれるエンドトキシンとの関係について検討を行った。IL33誘導を測定するため、インターロイキン33遺伝子のプロモーター領域をホタルルシフェラーゼcDNAの上流に組み込んだレポータープラスミドをラット気管上皮細胞に導入した細胞を用いて、2017年9月と10月に長崎県佐世保市において捕集したPM2.5の抽出物についてIL33遺伝子のプロモーター活性を測定した。その結果、いずれの試料においても大気14~72 m3に相当するPM2.5の抽出物によりプロモーター活性は用量依存的に上昇した。また、両PM2.5抽出物によるプロモータ活性がポリミキシンB添加により抑制されたことから、本活性の上昇が試料中のエンドトキシンによるものであることが示唆された。次に、本細胞を用いて佐世保市において2017年3月から2018年2月までの1年間にわたって1週間分ずつ捕集したPM2.5(47試料)の抽出物についてIL33遺伝子のプロモーター活性を測定した。また、同試料について含まれるエンドトキシン量をlimulus amebocyte lysate(LAL)カイネティック法により測定した。その結果、大気72 m3相当のPM2.5の抽出物では、すべての試料が有意に高いプロモーター活性を示し、28 m3相当抽出物では、一部の試料において有意なプロモーター活性の上昇はみられなかった。大気72 m3相当のPM2.5の抽出物によるプロモーター活性はエンドトキシン濃度と有意な正の相関関係にあることがわかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

大気中のPM2.5が、喘息発作に関与することが報告されているIL33誘導能を有すること並びにその誘導作用にPM2.5中のエンドトキシンが関与することを明らかにすることかできた。

今後の研究の推進方策

近年、喘息の病態に関与する多様な免疫細胞に作用し、気道炎症の誘導や喘息悪化などに関与することが明らかになってきたthymic stromal lymphopoietin(TSLP)の気道上皮細胞における発現に関する大気粉塵の作用について明らかにする。

次年度使用額が生じた理由

予想されたよりも少ない量の試薬を購入することで研究を実施することができた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 佐世保市大気中のPM2.5による炎症性サイトカインIL-33の発現2021

    • 著者名/発表者名
      西田圭佑、山岸伸行、松本崇宏、渡辺徹志ほか
    • 学会等名
      第71回 日本薬学会関西支部総会・大会

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公開日: 2022-12-28  

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