研究課題/領域番号 |
21K12320
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研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
浅利 裕伸 帯広畜産大学, 畜産学部, 准教授 (80761478)
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研究分担者 |
嶌本 樹 日本獣医生命科学大学, 獣医学部, 講師 (80825620)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 都市緑地 / 病原体 / キタリス / 大腸菌 / 緑地利用者 / ペット |
研究実績の概要 |
都市緑地は市民のレクリエーションの場や健康増進の場など生活の質の向上に寄与するほか、防災や温暖化防止などの面からも重要な役割を果たしている。一方、都市緑地は野生動物の生息地としても機能していることから、同じ空間を利用する野生動物と人との直接的・間接的接触が生じる可能性がある。これらの接触により、人獣共通感染症などの感染が懸念されるため、野生動物からの感染を防ぐためには、野生動物との接触を減らす必要がある。しかし、都市緑地における人と野生動物との空間利用や接触に関する実態把握はされていない. 本研究では、北海道帯広市の都市緑地に広く生息しているキタリスを中心に、野生動物と人との接触の可能性を明らかにするため、都市緑地でのキタリスと活動性と利用者の活動性との関係性を明らかにするとともに、キタリスの保菌実態を明らかにすることとした。 2021年度は、キタリスと人の活動性を把握するため、帯広市内の大規模都市緑地内に200mのメッシュを作成し23台の自動撮影カメラを設置した。キタリスおよびその他の野生動物と緑地利用者の撮影を通年行い、これまでに、複数地点においてキタリスが確認されているほか、アカギツネなどの野生鳥獣も撮影されている。 また、複数の都市緑地においてキタリスの捕獲調査を実施し、スワブ法を用いて捕獲された個体から細菌をサンプリングした。次世代シーケンス解析によって、現在までに大腸菌の保菌が確認されている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
キタリスと人の活動パターンを把握するため、都市緑地の利用許可を得たうえで、計画通り200mのグリッド内に1台ずつの自動撮影カメラを設置し、通年のデータ収集が行なわれている。また、対象としているキタリスの撮影だけではなく、アカギツネなどの野生動物が都市緑地を利用していることも明らかになっている。 複数の都市緑地においてキタリスを捕獲し、病原体のサンプル採取を実施した。さらに、次世代シーケンス解析により約20サンプルを解析し、都市緑地のキタリスが大腸菌を保菌していることを明らかにしている。 当初の計画通り、1年目(2021年度)には、都市緑地に自動撮影カメラを設置してキタリスの出現状況と人の活動性のデータが適切に収集できている。また、キタリスの捕獲と病原体のサンプル採取も実行できている。ただし、サンプル採取から分析までは保管や輸送などの時間がかかるため、当初検討していた病原体の解析手法では分析が難しいことが明らかになった。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画にしたがい、2年目は自動撮影カメラによる継続したデータ収集を行い、3~4年目には解析に注力する。また、キタリスの捕獲と病原体のサンプル採取は2~4年目も継続し、引き続き解析を進める。当初計画していた解析手法では分析が難しい場合があるため、類似するPCR検査などの手法に変更することで対応する場合がある。なお、適宜学会発表などにより成果を公開する。
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次年度使用額が生じた理由 |
・感染防止のため、野外調査に係るアルバイトを制限したため、次年度使用額が生じた。2022年度は感染防止に配慮しながらアルバイトをお願いする。 ・消耗品を自己予算で賄ったほか、乾電池を安価に購入することができた。2022年度以降も継続して乾電池などの消耗品が必要になるため、おおむね計画的に使用できると思われる。
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