研究課題/領域番号 |
21K12320
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研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
浅利 裕伸 帯広畜産大学, 畜産学部, 准教授 (80761478)
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研究分担者 |
嶌本 樹 日本獣医生命科学大学, 獣医学部, 講師 (80825620)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 都市緑地 / 病原体 / キタリス / 大腸菌 / 緑地利用者 / ペット |
研究実績の概要 |
本研究は,都市緑地を利用する野生動物(特にキタリス)と公園利用者との軋轢について,北海道帯広市の都市緑地を対象として,活動時間と感染症の観点から評価するものである. 都市緑地における野生動物と人の活動性調査については,当初の予定通り都市緑地内に2023年9月まで自動撮影カメラを設置し,これらのデータをすべて回収した.都市緑地で確認された動物種は,特にアカギツネ,キタリス,ネコが多く,そのほかにもネズミ類や鳥類が確認された.1年間のデータを用いた活動性の解析では,アカギツネの活動性が夕方から朝方までを中心しており,人との活動性の重複は主に朝および夕方にみられた.キタリスは朝に活動性の重複が集中した.しかし,どちらの種においても,季節によって活動性(重複)の時間帯に違いがあった.整理された都市緑地での出現種のデータをもとに,緑地に生息する野生動物種(キタリス)と人との軋轢の可能性についてまとめ,学術誌(和文)で報告した.また,キタリスは一般的に昼行性と考えられているが,撮影された本種のデータの中で,夜間に活動する行動が記録されたため,この事例を学術誌(英文)に報告した. また,キタリスの感染症に関する調査は,当初の予定通り春に現地調査を実施し,その後分析を行なった.2023年度の分析では新たな菌などは確認されていない.これまでに分析された結果(大腸菌の確認)を関連学会においてポスター発表を行なった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
都市緑地での生息種の調査は計画通りのスケジュールで進められており,解析についてもおおむね予定通り進んでいる.目的以外のキタリスの行動特性も確認されており,これらについて学会発表や学術誌への報告も実施済みである.また感染症に関する研究は,現地調査は予定通り進んでおり,分析は予定よりやや早く進捗している.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,自動撮影カメラで得られた2年間のデータ解析をすすめるとともに,学会発表を行なう.また,感染症の調査は分析がすべて終わっているため,学術誌への投稿準備をすすめる.
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次年度使用額が生じた理由 |
現地調査においてアルバイトを採用せずに調査を実施できたことが主な理由である.
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