富士山麓のアカマツ林を対象に、アカマツ枯死木の分解特性を現地観測によって評価するとともに、マツ枯れの拡大が地域スケールの炭素循環に与える影響を明らかにすることを目的とした。観測の結果、広域スケールでアカマツ枯死木からのCO2放出量を推定するには、枯死木含水量の適切な評価が重要であることが示された。また、対象地域のアカマツ林において、マツ枯れが発生した場合のポテンシャル放出量を評価した結果、地域のアカマツの大部分が枯死するような大規模な被害が生じた場合には、10年以上森林がCO2吸収源から放出源に転じる可能性があることが示された。
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