研究課題/領域番号 |
21K12350
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研究機関 | 秋田県立大学 |
研究代表者 |
嶋崎 善章 秋田県立大学, システム科学技術学部, 准教授 (40454772)
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研究分担者 |
鈴木 一哉 秋田県立大学, システム科学技術学部, 教授 (40706024)
山口 高康 秋田県立大学, システム科学技術学部, 教授 (40876380)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 自然公園の利用と管理 / リアルタイム情報システム / 観光資源の効率的な利用 |
研究実績の概要 |
利用実態がよく分かっていない自然公園の利用と管理に関し、本研究グループは異なる研究分野間に共通する研究基盤となる包括的なデータ収集を目指し、自然公園利用者の行動をリアルタイムでデータ化できる情報システムの開発し運用実験を行った。 具体的には、初年度に情報システムのプロトタイプを完成させ、次年度にダウンロード可能なスマートフォンアプリとして自然公園の現地に設置したポスターで利用者に提供した。アプリでは、利用者がマップを利用することで、景勝地や目的地の情報を簡単に入手でき、利用者の位置情報及び目的地までの道順の把握ができるサービスを提供した。さらに、利用者の行動記録がGPSログデータ化され、データは管理者が活用できるようにサーバーに蓄積される仕組みを開発した。この年は、研究代表者が米国でサバティカル研修を行っており、その機会を利用して、海外の自然公園での運用実験を行った。 最終年度は、情報システムの利用を促進する仕組みの開発を行った。具体的には、自然公園の現地で、スマートフォンアプリを通した寄付のリターンとして様々なアトラクションを発動させるという仕組みである。これは、スマートフォンによる決済システムの電子情報が、遠隔地におけるデバイスの稼動をもたらすというIOT技術の応用で、実験室での稼動が確認できた。 研究期間全体を通じ、①自然公園情報システムの開発、②利用者行動のリアルタイムのデータ化、③利用者に自発的な情報システム利用を促す仕組みの開発、が成果として挙げられる。本研究の目的である、公園利用者の行動データの集約と可視化が可能であることが実証された。しかし、特に海外での運用で明らかになった、携帯電話の電波が届かない自然公園での運用問題、は今後の課題として残る。
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