研究課題/領域番号 |
21K12360
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研究機関 | 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 |
研究代表者 |
岩岡 和輝 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学研究所 放射線規制科学研究部, 主幹研究員 (70466051)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 放射線防護 |
研究実績の概要 |
鉱石や岩石といった天然資源には、自然起源の放射性核種(自然放射性核種)が比較的多く含まれており、その利用によって外部被ばくおよび内部被ばくが引き起こされる。天然資源に含まれる自然放射性核種の国内管理は、放射能濃度という物理量で実施されるため、放射能濃度を容易に定量する手法の開発がこれまで必要とされてきた。本研究は、天然資源に含まれる自然放射性核種の放射能濃度を簡易的に定量する手法を開発するものであり、我が国の法令に基づいた安全対策の円滑な実施につながるものである。また、アジアには豊富な地下資源が眠っており、日本を含む先進国の支援のもと開発が進められている一方で現場では放射能濃度測定が十分に実施されていない実情がある。このように天然資源による被ばくを喫緊の課題として抱えるアジアにおいて、本研究成果は自然放射性核種濃度測定手法の一つとして活用される可能性を秘めており、国際的にも重要な成果となる。 自然放射性核種の濃度測定については、一般的な手法として研究用分析装置を用いて実施することも可能であるが、それは大がかりで高額という問題がある。その問題を解決するために、安価でポータブルな検出器を活用して本研究課題を進める計画である。 昨年度まで、新型コロナウィルスの流行拡大によって不便な部分もあったが、本年度は容易な定量手法開発に必要となる放射線輸送計算の適切な計算条件の検討を進め、また試料の調性と実測等を進めた。次年度は、引き続き計算条件や試料の測定等を実施する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究「簡易的な定量手法開発」のために必要となる放射線輸送計算の適切な計算条件(大型計算処理の実行環境)の選定、試料調性、実測等を進めた。また、本研究課題を通じて得られた成果の一部について論文発表を行うなど、順調に計画は進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、詳細な計算実行環境条件を決定するとともに試料の実測等を引き続き実施する予定である。その際、手法開発については小型・簡略化を検討し、また必要に応じて様々な測定環境場での測定も検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度に使用額が生じたのは、昨年度まで続いた新型コロナウィルス流行拡大による予定の変更やそれに伴って本研究を工夫しながら進めたためである。これらは、本研究を進めていくなかで必要となるものや精緻な達成が期待できるものの経費(実験・測定等のための経費、得られた成果を発表するための経費など)として使用する予定である。
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