研究課題/領域番号 |
21K12378
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
増田 聡 東北大学, 経済学研究科, 教授 (30231591)
|
研究分担者 |
中村 哲也 共栄大学, 国際経営学部, 教授 (80364876)
稲葉 雅子 東北大学, 経済学研究科, 博士研究員 (60846640)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | 東日本大震災 / 復興検証 / 政策評価 / 社会的モニタリング / ロジックモデル |
研究実績の概要 |
本研究では、以下の3つの視点から、復興検証を進めることを目指してきたが、研究3年目の今年度は、東日本大震災及び福島原発災害からの復興事例を中心として、先行研究の収集・レビューを継続実施し、検証実例及びそこで採用された検証枠組みの整理・ 検討を進めた。特に、「自治体復興計画の策定」と「グループ補助金制度の新設・運用」、「広域避難者の受入れ」についての検討を深め、書籍『東日本大震災100の教訓 復興検証編』、『東日本大震災復興研究Ⅶ 東日本大震災と原発事故は何を残したか』、『福島復興の視点・論点:原子力災害における政策と人の暮らし』において、分担執筆のチャプターとして公表した。さらに、海外を含む市民意識調査等を通じた復興成果・課題の事例調査も進めている。 ① 復興検証及びそのメタ評価を行う際の評価理論の検討、 ② 研究領域別ロジックモデルの確認と検証フレームワークの構築、 ③ 社会的モニタリングと再帰的ガバナンスの実現体制の検討 以上の成果は、論文や上記書籍の他に、その出版記念研究交流会「検証なき復興フェードアウトに抗して」や、筆者等が民間セクターとの協力の下で毎年実施してきた東日本大震災復興シンポジウム「みやぎボイス2023:震災復興を100年のパースペクティブで考える」においても取り上げ、広く公開している。 なお、2024年1月に発生した能登半島地震からの復興の推移を確認し、東日本大震災等からの教訓伝承・知見活用の実態について追跡調査を行うため、研究期間の延長を行って2024年度もこの科研費研究を継続することとした。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究開始当初は、コロナ禍のため、予定していた通りには研究会の開催や現地調査を行えずにいたが、旅費及び収集資料等の整理にかかる費用等を順次繰り越したこと、代替的なWeb調査等を実施できたことなどから、概ね順調と評価した。なお上記のように、2024年1月に発生した能登半島地震との関係から、本研究の枠組みを一部拡大して、東日本大震災の検証や評価結果の能登半島地震の復興初期における活用状況を確認することが重要であると判断し、研究期間の延長を行ったため、改めて進捗管理を見直す必要が生まれている。
|
今後の研究の推進方策 |
上記【現在までの進捗状況】で示したように、残された課題である「東日本大震災における復興検証・政策評価」と「能登半島地震後の復興過程」を継続調査して、研究を締めくくる予定である。またこれまで同様、研究会・シンポジウムの開催を企画(のとボイス 2024を構想中)、学会大会(都市学会・石巻大会)などの機会を活かして、公開・対話の場を用意したいと考えている。また、延長した最終年であることから、総括的論文集の取りまとめを目指し たい。
|
次年度使用額が生じた理由 |
2024年1月に発生した能登半島地震との関係から、本研究の枠組みを一部拡大して、東日本大震災の検証や評価結果の活用状況を確認することが重要であると判断し、次年度使用額を残した。その使途は、調査旅費・資料収集費等に充当する予定である。
|