研究課題/領域番号 |
21K12380
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
飯塚 明子 宇都宮大学, 留学生・国際交流センター, 助教 (60806925)
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研究分担者 |
坂本 文子 宇都宮大学, 地域創生推進機構, 特任助教 (40788478)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 外国人 / 地域防災 / 災害 / 留学生 / 技能実習生 |
研究実績の概要 |
外国人と地域防災に関する研究業績として、2021年度に2本の論文と3回の発表報告を行った。飯塚(代表研究者)が、留学生を対象とした防災意識の調査結果について、所属する大学と栃木県が実施したコラボレーションフェアや、地域安全学会で発表した。また、飯塚と坂本(分担研究者)が、12月に「地域防災と外国人についての研究会」を主催し、上記の研究結果を報告した。研究会には、仙台市観光国際協会の菊池氏が「東日本大震災の経験と災害多言語支援センターの実践」について、宇都宮市清原地区国際交流会の阿久津氏が、「宇都宮市清原地区の多文化防災の実践」について講演し、外国人と防災に関する先進事例を共有した。研究会には自治体の危機管理や多文化共生の担当者や、研究者、学生など約30名が参加した。 上記の論文をもとに、飯塚が日本人と留学生の防災意識の比較について英語で論文をまとめて提出し、現在査読中である。また、所属している宇都宮大学に加えて、栃木県の8つの高等教育機関の留学生を対象とした調査を2022年2-3月に行い、その結果を分析している。2022年5月に査読付論文として、提出予定である。 さらに、留学生だけではなく、コロナ禍における技能実習生の状況調査も行い、坂本が論文を発行した。 飯塚と坂本が、立命館アジア太平洋大学、熊本大学、熊本県立大学、熊本学園大学、熊本市国際交流振興事業団などで、熊本地震の際の外国人の支援や、その後の外国人を対象とした防災活動について、2021年11-12月に聞き取り調査を行った。 実践活動については、坂本が2022年3月13日14時から16時に、コミュニティFMミヤラジと協力し、東日本大震災11年目の特別番組を実施した。番組では、カンボジア人とベトナム人の外国人住民が参加し、母国での災害体験や知識、コミュニティFMで使われている災害時の日本語放送の表現について議論をした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
コロナ禍においても、オンラインで研究成果を3回発表し、2本の論文を出版することができた。また2年目に計画していた国内の先進事例の調査は、コロナ禍の合間を縫って、11-12月に大分県と熊本県に出張し、教育機関や多文化共生に関するNPOや自治体から聞き取り調査を行った。 また、所属する大学だけではなく、栃木県の9つの高等教育機関の留学生を対象としたアンケート調査を実施することができた。 10月から坂本(研究分担者)が加わり、留学生だけではなく、技能実習生や地域の外国人への調査、さらに実践活動も展開した。東日本大震災の11周年を迎えた2022年3月13日には、ラジオを通して地域に住んでいる外国人向けの防災の啓発活動を実施することができた。
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今後の研究の推進方策 |
研究業績については、日本人と留学生の防災意識の比較についての論文が現在査読中であるため、今後査読者のコメントがかえってきたら、適切に対応し、出版を目指す。栃木県の留学生のアンケート調査の結果分析を2022年4月に行い、5月に地域安全学会の査読付論文に提出する。その後、査読者のコメントがかえってきたら、2022年度中の出版を目指す。 実践活動については、飯塚と坂本が2022年5月に大分に出張し、立命館アジア太平洋大学と別府市、NPOが実施する外国人と地域住民との防災まちあるき(5/7)を視察する予定である。防災まちあるきの事例を検証した上で、宇都宮で関係者と協議をして、外国人との地域住民との防災まちあるきの活動を11月頃に実施する。 9月に神戸に出張し、阪神淡路大震災がきっかけで始まった外国人支援(多言語支援やラジオ活動)について、聞き取り調査を行い、今後の実践活動の参考にする。 12月に外国人と地域防災に関する第2回の研究会を行い、上記の事例検証の結果や宇都宮でのまちあるきの実施報告を行う。 海外の先進事例の視察については、新型コロナウイルス感染症の影響をみながら、判断する。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額として、19,625円が生じたが、2022年度で請求した金額と合わせて、出張経費として使用する。
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