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2022 年度 実施状況報告書

森林鉄道のインフォーマルな生活利用の民衆史:高知・青森・秋田の女性の語りをもとに

研究課題

研究課題/領域番号 21K12405
研究機関高知大学

研究代表者

岩佐 光広  高知大学, 教育研究部人文社会科学系人文社会科学部門, 准教授 (20549670)

研究分担者 赤池 慎吾  高知大学, 教育研究部自然科学系農学部門, 准教授 (50570199)
柏尾 珠紀  滋賀大学, 研究推進機構, 研究員 (70414034)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード森林鉄道 / 住民利用 / 高知 / 青森
研究実績の概要

本年度は、(1)高知における森林鉄道の住民利用についてのインタビューの実施および既存のインタビューデータの整理と、(2)青森における予備調査を実施した。
(1)に関しては、まず、地域住民への成果還元の一環として、これまでインタビューを通じて得たライフヒストリーをコンパクトにまとめた冊子を作成した。次に、森林鉄道の敷設が地域社会に及ぼした影響の1つとして、それが山地景観に与えた影響に着目し、その内容を日本文化人類学会第56回研究大会で発表した。また、学会発表の内容をふまえつつ、大幅に加筆修正するかたちで、日本文化人類学会の学会誌に論文投稿を行った。くわえて、インタビューデータをもとに高知における森林鉄道の住民利用について、複数の学術書に論文の執筆を行った。
(2)に関しては、青森県立図書館等で関連資料の収集と分析を行った。それを通じて、特に下北半島に敷設された森林鉄道の住民利用が盛んであったことが明らかになった。それをふまえ、下北半島での予備調査を実施した。新型コロナ感染症の影響でインタビューを実施することは叶わなかったが、森林鉄道跡地を訪れ、その近隣に住む地域住民への部分的な聞き取りもすることができた。そこから、高知県では基本的に山地から海岸部へ移動するために森林鉄道が利用されていたのに対し、下北半島では、温泉利用や山菜採りなどのために、海岸部から山地へと移動する手段として住民に利用されていたことが少しずつ明らかになってきた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

高知・青森・秋田での現地調査を計画していたが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で計画通りにすすめることができなかった。特に、本研究のインタビューの主な対象となるのが高齢の方であるため、感染リスクの観点から、インタビュー調査を行えなかったことが大きい。代わりに青森県での文献調査および現地視察などを行うことで、今後の調査のための論点を見つけることもできた。それらをふまえ「やや遅れている」と考える。

今後の研究の推進方策

高知での調査を継続しつつ、青森・秋田での現地調査を実施する。
ただ、上述のように昨年度に続き今年度も思うように現地調査を実施することができなかった。そのため、事業期間内に青森・秋田両県で現地調査を行うことが難しい状況にある。そこで、調査地をひとまず青森に絞り、そこに敷設された森林鉄道の住民利用に注目したインタビューを実施することとし、進捗に応じて秋田での現地調査に着手するようにしたいと考えている。

次年度使用額が生じた理由

予定していた現地調査が実施できなかったため。
これらの予算については、現地調査に使用する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [学会発表] 資本主義的廃墟としての国有林:魚梁瀬国有林の成立と開発の歴史を事例に2022

    • 著者名/発表者名
      岩佐光広・赤池慎吾
    • 学会等名
      日本文化人類学会第56回研究大会
  • [図書] Lifehistory-in-Kochi 振り返ればそこにある高知の暮らし(中芸地域編)2022

    • 著者名/発表者名
      岩佐光広・赤池慎吾
    • 総ページ数
      69
    • 出版者
      学術研究出版
    • ISBN
      978-4-910733-56-2

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公開日: 2023-12-25  

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