研究課題/領域番号 |
21K12411
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
深町 英夫 中央大学, 国際経営学部, 教授 (00286949)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | アジア系アメリカ人 / 日系人 / 華人 / カリフォルニア / 帰属意識 |
研究実績の概要 |
2023年度はコロナ禍の影響がほぼなくなったため、米国サンフランシスコ湾区への出張資料調査を2度にわたり実施できた。すなわち、University of California, Berkeley, Ethnic Studies Libraryにおいて閲覧を予定していた資料である中国語新聞の《金山時報》《少年中國晨報》に加え、もう1つの中国語新聞《世界日報》も閲覧できた。 それらの資料から様々な興味深い状況が明らかになりつつある。すなわち、太平洋戦争中に強制収容されていた日系人が、戦後にサンフランシスコ湾区へ戻り社会活動を再開していった経緯に対し、華人も一定の関心を払っていた。しかも、アジア人がアメリカ入国に際して差別的待遇を受けたり、地域社会において居住・就学・就労等の面で差別を受けていた点で、日系人と華人が共通の立場にあることが次第に意識されていった。 他方、日系人側が比較的に強い関心を見せた"Oriental"という新たな枠組みに基づく、若者のスポーツを通じた交流に関して、華人側はそのような枠組みへの関心が相対的に低かったことも明らかになった。また、日系人が熱狂的に歓迎した山口淑子(李香蘭)のアメリカ進出に対して、華人がまったく無関心であったことも興味深い現象として指摘できる。 そして、1949年の中華人民共和国成立や1950年の朝鮮戦争勃発を契機に、東アジアへも東西冷戦が波及していったことは、アメリカ社会における日系人と華人の立場を、太平洋戦争中とは逆転させかねないものであったことも、資料から読み取れた。 なお、これらの成果を論文としてまとめる予定であったが、2022年12月に急病により入院し、退院後も後遺症により通院を続けており、2024年3月に追加手術を受けたため、2023年度中は資料収集のみに専念し、論文の執筆は2024年度に持ち越すことにせざるをえなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2022年度まではコロナ禍により現地に出張して資料調査を実施することができなかった。また、2022年12月に急病により入院し、退院後も後遺症により通院を続けており、2024年3月に追加手術を受けた。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は2回サンフランシスコへ赴いて資料調査を行なう。また国内では国立国会図書館における資料調査を継続する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2022年度まではコロナ禍により現地に出張して資料調査を実施することができなかった。また、2022年12月に急病により入院し、退院後も後遺症により通院を続けており、2024年3月に追加手術を受けた。2024年度は2回サンフランシスコへ赴いて資料調査を行なう。また国内では国立国会図書館における資料調査を継続する。
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