研究課題/領域番号 |
21K12414
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
原尻 英樹 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (70231537)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 同年齢集団 / 低生産地 / 船大工 / 職人 / 半農半漁 |
研究実績の概要 |
コロナ禍で、沖縄、中国、韓国での調査ができなくなっており、調査可能な場所が沖縄以外の日本国内に限定されている。こういった状況のなかで、調査可能であり、かつ、学術的に意味のあるフィールドを探し続け、やっと、フィールドを見つけることができた。ここは熊本県の天草である。まずは文献資料を収集し、それから、現地調査を始めることになった。現在、私がやっているような本格的な調査はこれまでされてはいないが、地元の民俗学等の研究蓄積はある程度あるので、こういった先行研究を参考にしながら、自らの研究関心についての調査を始める予定である。 まず、天草においてはこれまで研究してきた壱岐、平戸同様に同年齢集団が存している。これは、天草の場合、他所との関係があり、結果として同年齢集団が形成されている。この点、有明海沿いの長洲、大牟田にはこういった集団が存しておらず、ここでは他所との関係がなかったことが分かる。天草は生産性が低く、土地も痩せており、さらに、流通の面でも孤立しているので、天草だけで生活を営むことが困難であったと考えられる。それだけ、他所との関係があったのであり、また、天草の人も他所との関係を形成していったと考えられる。 現時点では、発表できることは以上になる。今後は、さらに調査を進め、天草における人々のかかわり方、宗教性について調べていく予定である。天草の場合、調査は円滑にできることが期待できるのであり、今後は、計画的に調査を進行させる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実質的に天草にフィールドを定め、ここでの研究をするようになってからほとんど時間が経っていないので、十分な調査・研究ができていない。また、文献研究も十分ではないので、自分で今後研究を蓄積しなければならない。しかしながら、現地でのラポール等はうまくいっており、これまでの研究蓄積も利用すれば、十分に遅れを挽回できると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
中国、韓国でのフィールド調査はしばらくはできないことが予想される。天草の調査は今年からになるが、順調に進めることができるだろう。実際上、現在のフィールドに昔からの習俗・習慣が残っているのは、その大半が日本、沖縄であり、中国、韓国の方がこういったことはあまり期待できない。よって、天草調査による成果は十分に期待できると考えられ、この成果を中国、韓国に応用することにする。科研費は、コロナのために2,3年は海外調査ができないことが予想されるので、それも踏まえての今後の調査・研究だといえよう。よって、事実上、海外調査は来年以後になるので、令和6年以後に、それまでの研究をまとめることになるだろう。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ状況のために、ほとんど実質的な研究が行えなかった。2022年度からは国内調査その他で予算を消化可能になるだろう。しかしながら、コロナ状況が改善してからの海外調査費も残しておかなければならない。
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