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2023 年度 実施状況報告書

東南アジア辺境地域における情報圏と社会の相互作用ー「持続可能な開発」との関係から

研究課題

研究課題/領域番号 21K12428
研究機関岡山大学

研究代表者

生方 史数  岡山大学, 環境生命自然科学学域, 教授 (30447990)

研究分担者 祖田 亮次  大阪公立大学, 大学院文学研究科, 教授 (30325138)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード東南アジア / 辺境社会 / 情報圏 / 持続可能な開発 / ポリティカル・エコロジー
研究実績の概要

本研究では、東南アジア辺境地域における森林保全や一次産品の認証など、「持続可能な開発」に関連する事業を事例に、国家・市場・地域社会を構成するアクターが情報圏をどのように拡張したのか、またそれらが互いの情報圏や現実社会とどのように相互作用しているのかを検証している。
3年目である2023年度には、ようやくコロナ禍による海外渡航制限から解放され、本格的に現地調査ができるようになった。ただ、それ以前の2年間における現地調査の遅れが響き、結局3年間で研究に必要な海外現地調査を完遂することはできなかった。
期間中の主な活動は下記2点に大別できる。第1に、前年度に引き続き、2023年9月にマレーシア・サラワク州で現地調査を行った。その結果、前年度とは異なる地域において、コロナ禍でのパーム油業界の動向や様々な困難の状況、パーム油認証制度の普及状況、認証制度に対する先住民団体の取組みの進展状況と新たなイシュー、先住民間の取組みへの温度差など、コロナ禍の期間に起こった変化に関する情報を得ることができた。
第2に、国内でオンライン研究会を計4回開催し、アジア地域での関連事例から情報圏と現実社会との相互作用を引き続き検討するとともに、これまでに開催した研究会を総括する作業を行った。その結果、前年度に整理した「情報圏が情報基盤の整備によってつくられる過程」や「情報圏が辺境統治の変容へとつながる過程」に関する知見と、これまでの調査から得られた2つの相互作用の道筋、すなわち国家やグローバル社会によるトップダウンの過程と住民が主導するボトムアップの過程をつなげるためのいくつかの変数をピックアップすることができた。
今後はもう1つの調査地であるベトナムにおいて同様の現地調査を行うとともに、上述した情報圏を介した辺境統治の変容に関してさらに考察を深めていくつもりである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

理由
2022年度の上半期まで、コロナ禍のために海外での現地調査が不可能であり、その影響が今年度にも残ったため。本格的な調査が未だ不十分であるため、もう1年研究期間を延長することになった。

今後の研究の推進方策

これまで行ってきた研究会や文献レビュー等の活動を継続しつつ、昨年度から始動した海外現地調査を継続する。また、研究会のなかで同時並行的に研究の総括的な議論を行うとともに、今年度中に学会でセッション発表を行うことで、最終的な成果発表へとつなげていく。

次年度使用額が生じた理由

2022年度の上半期まで、コロナ禍のために海外での現地調査が不可能であり、その影響が今年度にも残ったため。本格的な調査が未だ不十分であるため、もう1年研究期間を延長することになった。
2023年度の予算使用計画は以下の通りである。1)書籍や文献レビュー等の購入(物品費23.6万円)、2)海外現地調査(ベトナム1名1回分30万円+サラワク1名1回分30万円)、3)調査のための現地での人件費・謝金(ベトナム1回+サラワク1回で40万円)。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 3件)

  • [国際共同研究] フエ大学(ベトナム)

    • 国名
      ベトナム
    • 外国機関名
      フエ大学
  • [国際共同研究] サラワク大学(マレーシア)

    • 国名
      マレーシア
    • 外国機関名
      サラワク大学
  • [雑誌論文] 認証制度を契機とした小農ネットワークの形成ーマレーシア・サラワク州のアブラヤシ栽培を事例にー2024

    • 著者名/発表者名
      祖田亮次、生方史数、葉山アツコ
    • 雑誌名

      人文研究

      巻: 75 ページ: 32-49

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Does International Environmental Certification Change Local Production and Trade Practices? A Case Study of Shrimp Farming in Southern Vietnam2023

    • 著者名/発表者名
      Watanabe Hiroki、Ubukata Fumikazu
    • 雑誌名

      Human Ecology

      巻: 51 ページ: 781~794

    • DOI

      10.1007/s10745-023-00424-x

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] A systematic review of community-based tourism in Vietnam: A critical perspective2023

    • 著者名/発表者名
      Tan, N. Q., Ubukata, F., Dinh, N. C.
    • 雑誌名

      Asia-Pacific Journal of Innovation in Hospitality and Tourism

      巻: 12 ページ: 187-221

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] 山崎亮一著『山崎亮一著作集 第4巻 比較熱帯デルタ農業論―メコン河とニジェール河―2023

    • 著者名/発表者名
      生方史数
    • 雑誌名

      歴史と経済

      巻: 65 ページ: 60-62

  • [雑誌論文] 寺内大左著『開発の森を生きる―インドネシア・カリマンタン 焼畑民の民族誌2023

    • 著者名/発表者名
      生方史数
    • 雑誌名

      林業経済

      巻: 76 ページ: 22-26

    • オープンアクセス

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公開日: 2024-12-25  

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