研究実績の概要 |
本研究は、東南アジアのLGBTQ(Lesbian, Gay, Bisexual, Transgender and Questioning/Queer)の権利を主張する社会運動(以下、LGBTQ社会運動)に着目し、量的テキスト分析(量的研究)とフィールド調査(質的研究)の双方向から多角的かつ学際的に分析することによって、現代インドネシアの社会動態の一側面を明らかにする。具体的には、東南アジアの大国インドネシアを対象として、①インドネシアにおけるLGBTQやその社会運動に対する国家による政策や宗教組織による対応(言説の変容)と、②LGBTQをめぐる報道トーンの変遷を明らかにすることで、国家や宗教勢力と、LGBTQの権利を主張する社会運動との多様な競合関係を浮き彫りにし、インドネシア社会の変容のダイナミズムの解明につなげる。 令和3年度は、テキストの収集と資料精査を実施した。具体的内容は以下の通りである。 ①テキスト・データの収集:宗教組織のウェブサイト上に掲載されているLGBTQに関連する声明文、宗教的見解、および各種報道機関のニュースサイトに掲載されたLGBTQ関連のニュースを体系的に収集した。方法は、プログラミング言語であるPythonを利用し、ウェブスクレイピングとしたが、適宜Rを利用した。 ②LGBTQに関する資料収集と精査:インドネシアのLGBTQに関する文献を収集し精査することで、インドネシアにおけるLGBTQに対する政策や、対応について明らかにした。
|