研究課題/領域番号 |
21K12436
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研究機関 | 目白大学 |
研究代表者 |
吉田 則昭 目白大学, メディア学部, 特任准教授 (90823609)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 日ソ関係 / 文化交流 / 人的交渉 / オーラルヒストリー / 受容と再受容 / 大衆メディア / 演劇・映画・文学 |
研究実績の概要 |
2021年度は、コロナ・ウィルスの感染拡大にともない、国内外への出張ができなかったため、資料収集の計画を大きく変更し、それに従って研究の内容も変更した。まず海外出張はすべて中止し、学会は延期された。国内での学会はオンラインとなり、他大学の図書館については入館だけでなく、文献の取り寄せという形での利用も不可能となった。そのため、本来の研究課題に関連性があり、また日本で購入できる資料を中心に進められるような課題に取り組んだが、なかなか成果を挙げられないまま時間だけがすぎた。 当初の予定では、一年目には、日本での文献調査と並行して、新聞・雑誌、映画、ラジオなどの諸メディアについて、ロシア側で資料調査を主に行うこととしていたが、コロナ・ウィルスによる渡航制限に加え、2022年2月にはロシアのウクライナ侵攻もあり、日本・ロシア間の国交も悪化、本研究の最大の目的であるモスクワでの公文書調査ができなくなっていることが大変痛手となっている。 2021年、感染状況が一時的に改善していた秋以降は、日本国内各地に出向いて資料調査を行なった。11月には京都大学人文研究所に出向いてソ連側文化交流団体の資料調査を行ない、舞鶴引揚記念館でも史料調査、聞き取り調査を行った。 また当該研究テーマでの論文執筆では、占領期・50年代における出版人・ソ連文化プロモーターであった大竹博吉の出版社ナウカ社での活動を、アメリカ・ロシア側の史料を利用して論文執筆を行った。 そして、本研究代表者である吉田が分担者を務める科学研究費基盤研究(B)20H01222「貫戦期における日中映画の越境と協働をめぐる総合的研究」(研究代表者:アンニ)でも、2022年3月に合同シンポジウム「<国民>を縫い直す 貫戦期におけるメロドラマ的想像力の歴史的位相」をオンラインで開催、有意義な討議を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ・ウィルスの感染拡大により本務校の業務が逼迫して物理的にも精神的にも余裕がなく、研究に割く時間をほとんど取れなかったため、新型コロナウイルス禍で国内外の移動が制約された他、図書館・資料館・博物館等の施設の休館・閉館や利用制限が行われたことで、予定していた調査を十分に進めることができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
当面、新型コロナウィルス感染拡大の状況に対応した調査手法をとる必要がある。国外での資料収集や国内の他大学の図書館の資料の利用が可能になれば、変更前の研究計画に沿って研究を進める。それとともに、それが可能になるまでは、2021年度に取り組んだ変更後の新たな研究課題を継続して取り組む。2022年度は雑誌『ソビエト映画』とその関係者である土方敬太について、国内で購入できる資料を中心に調査を進めたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初想定していた海外調査出張が実現しなかったこと、またコロナ・ウィルスの感染拡大によって研究計画が大きく狂ったことにより、当初予定の経費が使われずに残った。 コロナ・ウィルス感染傾向が減少するようであれば、ロシア以外の国への海外調査も検討している。場合によっては研究期間の一年延長を申請する可能性もある。
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