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2023 年度 実施状況報告書

ウェルビーイングの向上に寄与するローカルツーリズムの再構築

研究課題

研究課題/領域番号 21K12448
研究機関山形大学

研究代表者

高澤 由美  山形大学, 大学院理工学研究科, 准教授 (20509054)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワードwell-being
研究実績の概要

23年度は、遅延していた調査・実験を行うことに注力した。主に以下の調査に取り組んだ。
①温泉街を訪れる人の観光動機や温泉街に滞在時の行動、満足度等の評価、主観的な情緒的評価等から、訪れる人のウェルビーイングを促す温泉街に求められる要素についてアンケート調査を実施し、定量的な分析を行った。分析の結果、温泉地域への旅行動機は特に「逃避・リラックス」に関連する項目が高く、また旅行で得たこともこうしたリラックスやリフレッシュに関連する項目が高い数値を示した。さらに温泉地域での過ごし方から「自然を眺めること」や「散策」を行うと高い満足度につながる傾向がみられた。これらのことから温泉地域では温泉の効能への期待を満たすことに加え、リラックスや休養を促す環境を宿泊施設内にとどまらず自然との触れ合いや散策等の行動を行うことなど外部環境を含めて提供することが来訪者の主観的幸福ウェルビーイング に貢献するうえで重要であることが示唆された。
②温泉入浴や温泉街におけるまち歩き等のアクティビティを行うことによって来訪者のwell-beingにどのような変化がみられるのかを検証するため、主観的幸福、及び生理指標を測定し、定量的に把握した。実験は2回実施した。実験1は、山形県の温泉地で被験者9名に入浴およびまち歩き等のアクティビティ等を体験してもらった。実験2は同じく山形県の温泉地で被験者20名に入浴を体験してもらった。それぞれ活動の前後で主観的幸福と生理指標を計測した。主観的幸福の計測には、日本版PANAS(16項目6件法)を用い、生理指標の計測にはTAS9Viewを用いた。その結果、生理的指標は肉体的疲労度は高くなる傾向が見られる一方で、精神的ストレスが現象する傾向が確認された。主観的幸福はポジティブ情動はあまり変化が見られなかったが、ネガティブ情動は有意に低下することが確認された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

コロナ禍に調査等が想定していたように実施できなかったことが尾を引き、当初の計画よりも期間が超過してしまったものの、23年度に関しては、地域の観光を担うステークホルダーとの連携を図りながら調査を実施し、フィードバックを行うことで、ウェルネスツーリズム等の議論にも進展させることができた。

今後の研究の推進方策

今年度は、23年度の調査結果の分析を深め、国際学会での発表、及び学術雑誌への投稿を行うことで、いっそうの議論を進展させる予定である。

次年度使用額が生じた理由

23年度は、これまで実施することができなかった実験・調査を実施することに注力した。そのため成果をまとめ発表する機会がなく、学会等への旅費に充当されなかったため、次年度使用額が生じた。

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公開日: 2024-12-25  

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