研究課題/領域番号 |
21K12466
|
研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
山田 香織 東洋大学, 社会学部, 講師 (50731832)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | アートツーリズム / アート経験 / 観光資源 / 地域国際芸術祭 / 日本 |
研究実績の概要 |
コロナ禍の下での研究推進となった本研究1年目の今年度は、感染症拡大防止の観点から当初計画していたフィールド調査を一部見合わせざるを得なかった。しかしながら、研究テーマに関するデータ収集のための足場を固めることができた。具体的には、行政関係者や地域のアート実践の機会創出に関わるアクター(公民館関係者、文化施設指定管理者、まちづくりNPO事務局、地域起業家など)にヒアリングをしたことで、調査対象地域における文化政策と(広義の)アートをめぐる実践の場を把握することができた。また、こうした異なる立場のアクターとの意見交換から実情把握ができたことで、アート実践に関するデータ収集(参与観察、聞き取り、アンケート)に見通しをつけることができた。 現地調査をしたみたところ、本研究の目的遂行にあたっては、調査フィールドを、当初計画していた地域国際芸術祭とその現場に限定せず、対象事例を多少広げて、そこに見られるアート実践の様相を捉えていくことが必要であることが明らかとなってきた。そこで次年度の調査では、瀬戸内国際芸術祭とその現場、それ/そこにかかわる人びとに加えて、周辺地域で展開されているアート実践とそれにかかわる人びとにも注目していく。 今年度は、観光学術学会において分科会をひらき、「アート的なるもの」と「観光的なるもの」の連関について検討する機会を設けた。このほか、同学会や日本文化人類学会などの研究大会、本研究テーマとも親和性のあるテーマを取り上げた研究会やシンポジウム、それ以外の研究会等にも積極的に参加し、分析概念や分析手法の検討も重ねた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍による行動制限のため、当初の計画通りの現地調査を行うことができなかったもののオンライン会議システムを活用するなどし、調査前の打ち合わせを綿密におこなうことで、調査を充実させることができたため。調査地の研究協力者から今後の調査実施について承諾を得られた点も理由として挙げることができる。
|
今後の研究の推進方策 |
今年度研究遂行の障壁となったのは、新型コロナウィルス感染症拡大防止のための行動制限だった。しかし、その状況も幾分緩和されてきたことから、研究2年目は、計画中の調査を相当程度予定どおり遂行することができ、本研究の問いの解明に必要なデータを獲得することができると見込んでいる。 次年度(2年目)以降は、研究1年目に下準備をすすめた調査(参与観察、聞き取り調査、アンケート)を実施し、データを収集する。その際、地域国際芸術祭とそれにかかわる人びとに限定せずに調査をおこなう。あわせて観光人類学、観光社会学、観光地理学、また文化政策で用いられる分析概念を渉猟し、調査データの分析に援用する。研究成果は随時公表していく。
|
次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染症防止の観点から、計画していた現地調査を控えたことが最大の理由である。あわせて、調査時に必要となる物品購入も控えた。次年度使用額は、昨年度見送った調査と機材購入に充てる。
|