研究課題/領域番号 |
21K12472
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研究機関 | 佐世保工業高等専門学校 |
研究代表者 |
堀江 潔 佐世保工業高等専門学校, 基幹教育科, 教授 (20390536)
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研究分担者 |
真部 広紀 佐世保工業高等専門学校, 基幹教育科, 准教授 (10249881)
上田 真梨子 佐世保工業高等専門学校, 基幹教育科, 准教授 (40509600)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 歴史文化観光資源 / 離島振興 / 文化財活用 / 地域活性化 / 近代化遺産 / 戦争遺跡 |
研究実績の概要 |
本研究は、ドローン空中撮影動画や3Dモデル、英語解説などを用いて長崎県内の歴史文化観光資源の効果的な発信方法を研究し、英語圏の外国人観光客増加による離島の経済振興に資することを目的とするものである。その達成に向け、(1)長崎県内の離島の魅力を発信できる歴史観光文化資源の発見(再発見)と選定、(2)(1)で選定した歴史文化観光資源のドローン空中撮影、動画編集、3Dモデル製作、英語解説やWebページの作成などを行い、インバウンド需要拡大に向けての情報発信モデルの構築を計画している。 令和3年度は、壱岐島(壱岐市)、平戸島(平戸市)、黒島(佐世保市)などの歴史文化観光資源の踏査を実施した。その中で、いくつかの歴史文化観光資源を選定してドローン空中撮影及び写真測量用画像の撮影を実施し、それをもとに3Dモデル製作を行った。 研究進展の過程で、保存状態等の理由により観光資源化に困難が伴う近代化遺産が、離島に多く存することが分かった。そこでそれらの近代化遺産の公開・観光資源化の前提となる、有効な測量調査法の研究にも着手した。今後の公開・観光資源化の先行事例研究のため、既に公開・活用が進んでいる千代ヶ崎砲台跡・観音崎砲台跡・猿島砲台跡(神奈川県横須賀市)、端島炭鉱跡(長崎市)や石原岳堡塁跡(西海市)、三池炭鉱宮原坑跡(福岡県大牟田市)や同万田坑(熊本県荒尾市)などの現地踏査を行った。そのうち千代ヶ崎砲台跡では、ドローンや地上走行ロボットを用いて、人間の立入調査が困難な近代化遺産の調査法の研究を実施している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和3年度の研究計画としては、下五島(五島市)と壱岐島(壱岐市)を研究対象地域に定め、現地踏査、ドローン空中撮影、動画編集、3Dモデル製作、英語解説の作成、Webページの試作を予定していた。新型コロナウィルス感染の終息が見えない中、遠方の離島での調査はままならない状況で、下五島への入島は控えた。その代替措置として、平戸島(平戸市)、黒島(佐世保市)を研究対象に加えた。それらの島々での歴史文化観光資源の選定、写真測量用画像の撮影、3Dモデル製作を進めているが、それらの日本語解説の作成、それをもとにした英語解説の作成、Webページの試作などは進捗が遅れている。 なお、本年度の研究進展の過程で、観光資源化に困難が伴う近代化遺産が離島に多く存することが分かった。そこで公開・観光資源化の前提となる、近代化遺産の測量調査法の研究にも着手している。この調査法の確立に向けて研究を進めていけば、今後の様々な離島の歴史文化観光資源の高度化に応用することができ、本研究の大きな進展につなげていくことが可能である。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度の研究計画としては、研究対象地域に対馬島(対馬市)、上五島(新上五島町)に的山大島(平戸市)を加え、これまでと同様に、現地踏査、ドローン空中撮影、3Dモデル製作を進めるとともに、進捗に遅れがある英語解説の作成、Webページの試作を進めていく。令和4年度前半期には、日本製ドローンが納品されるため、ドローン空中撮影を加速度的に進めていくことが可能となる。さらにこれと並行させ、観光資源化に困難が伴う近代化遺産の、公開・観光資源化の前提となる測量調査法の研究も、引き続き進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和3年度中に日本製のドローン購入を進めていたが、高専機構・内閣官房を通したドローン購入手続きが長引き、年度内に購入できなかった。また、動画編集作業への取り掛かりが遅れており、謝金支出ができていない。 令和4年度前半期には、日本製ドローンが納品される見込みである。ドローン及び周辺機器の購入を行い、令和3年度に使用できなかった予算を活用する。
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