研究課題/領域番号 |
21K12485
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研究機関 | 山梨県立大学 |
研究代表者 |
杉山 歩 山梨県立大学, 国際政策学部, 教授 (20586606)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 水源 / 共創型サービス |
研究実績の概要 |
ゲーミフィケーションの活用事例として3カ所のフィールド毎に地域資源を活用する形で実証研究活動を行った。 1. 水(水源)の保全活動に関する研究。本研究では普段我々が意識する事の無い、水道水及び水源の利活用をゲーミフィケーションの考え方に基づいて住民ひいては域外の人々にどの様に周知させるのか実証的に検証を行った。研究ではいわゆるマルチステイクホルダー型の合意形成の場において、水資源に関する課題を如何に取り扱うのかについての検証を行う中で、SNS等で比較的知名度の高い生産者が自信の製品づくりの取り組みを知らせる中で、水の大切さについて触れる事で域外の人々に対しても水の大切さを大きく伝える事が可能である事がわかった。 2.水源保全に必要な水道サービスの持つ価値のうち情緒的価値に着目し、住民と旅行客との共創の場の創出により、水源の維持を行う機会を昨年度のフィールド(山梨県甲州市)以外に高知県高知市土佐山地区で実証実験を開始し、普遍的なサービスとしての普及を念頭にした一般化モデルの構築に着手した。 3. 研究成果をサービス学会第11回国内大会にて口頭発表を行い、学会要旨集としてまとめた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍による活動制限などにより、制限された活動ではあったが、2021年の活動フィールドであった山梨県のみならず、高知県にも活動箇所を広げフィールドワークを始め、ゲーミフィケーションの実証実験を行う準備を十分に行う事ができた。また、2カ所での研究成果から一般化を行い、結果を学会発表に繋げる事ができた。次年度以降は2023年度の実績を元にゲーミフィケーションを用いた仕組みづくりを行い、どの様な効果があるのか定量評価及び、論文執筆を行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
ゲーミフィケーションを活用した水利用、水源管理の保全に関する研究では、2022年度の成果をもとにワークショップおよびイベントを開催し、参加者への定量評価を行う。水の豊かさを守る取り組みはSDGsの達成目標の一つであり、我々誰もが逃げられない課題である。本研究により山梨のみならず日本全国の中山間地の地域資源である豊かな水資源をいかに活用し、その取り組みをSDGs達成に資する取り組みとするかは、水に限らず道徳的な啓蒙活動に陥りがちなSDGsを推進する。 また、研究最終年度となる2023年度はゲーミフィケーションを活用した地域社会の持続的な環境保全に適切に体験型観光を導入する仕組み作りを一般化し、研究成果の社会実装のみならず、学術論文および学会報告を通して研究成果を広く公表していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍においてフィールドとなる観光地への出張が減ったほか、定量評価の場となるイベントの延期などにより、研究機会が減ったため。2023年度はフィールドワークの回数、イベントでの実証実験共に平常化するため予定通りに執行が可能となる予定。
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