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2021 年度 実施状況報告書

メガマーケティングによるゲーム/eスポーツの社会的受容促進に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K12486
研究機関青山学院大学

研究代表者

川又 啓子  青山学院大学, 総合文化政策学部, 教授 (00306854)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワードメガマーケティング / eスポーツ / ユニバーサル・スポーツ / マーケティング / 社会的価値 / スティグマ製品
研究実績の概要

本研究課題における「メガマーケティング」とは、1980年代にマーケティングの泰斗コトラーが提唱し、21世紀に入ってハンフリーズが進展させた分析枠組みである。そこでは、スティグマ製品(ゲーム/eスポーツ等)の市場形成を、特定の文脈の中で、政治的、社会的、認知的に受け入れられるように、理由を与えるプロセスである「正当化」という概念が用いられる。規則やルールの範囲内で、社会規範や価値観に適合し、社会に認知され理解されるための理由を「正当性」として、法制度の整備のための社会的ネットワーク形成や資源動員である実質的戦略とコミュニケーション戦略によって、その正当性を獲得することが正当化戦略である。本研究課題では、そのメガマーケティングのフレームを用いて、ゲーム/eスポーツといったスティグマ製品が文化的・認知的に正当化され、社会的に受容されるプロセスとその促進要因を明らかにすることを目的とする。
令和3年度は文献研究を中心に行ったが、スティグマ製品の一つと考えられる日本由来のポップカルチャーのメガマーケティング戦略に関する論文(日本語・英語)を刊行することができた。また、ゲームならびにマーケティング・エクセレンス関連の研究会を継続的に開催して理解を深めている。さらに、eスポーツの普及にとってもっともハードルが高いと考えられる学校教育現場での実践について、大手ゲーム会社の取組を紹介する講演会を開催することができた。
令和4年度も、引き続き新型コロナウィルス感染症に留意しつつ慎重に研究を進めるが、研究計画としては、(1) eスポーツが初めて公式競技として採用される第19回アジア競技大会(中国・杭州)の視察、(2)ユニバーサル・スポーツとしてのeスポーツの社会的価値について、先進事例(医療機関)の研究、(3) 「知財を活用した社会問題解決」という視点での研究を推進する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

令和3年度は文献研究を中心にして、正当化に関する論考(1)(2)を刊行することができた。また、eスポーツの普及にとってもっともハードルが高いと考えられる学校教育現場での実践について、大手ゲーム会社の取組を紹介する講演会を開催した(3)。
(1)Cultural Events and Japanese Pop Culture in Europe: The case of the Japan Expo in France, Managing Cultural Festivals: Tradition and Innovation in Europe, Norio Tajima, Keiko Kawamata, Shoetsuro Nakagawa, Toshihiko Miura (Elisa Salvador, Jesper Strandgaard Pedersen, eds.), Routledge: London, UK 2022年2月
(2)『ジャパニーズ・ポップカルチャーのマーケティング戦略』川又啓子、三浦俊彦、田嶋規雄、千倉書房、2022年3月
(3)eスポーツの社会的価値を考える : eスポーツ×教育の最前線「『ぷよぷよeスポーツ』高校eスポーツ部応援プロジェクト」の実践(知財と社会問題研究所 講演会,2021年12月18日)『青山総合文化政策学』13(1) 65-94 2022年3月【講演会再録】
※(3)については、以下のようにメディアでとりあげられた。
①田原和宏「フィールドの向こうに:消えない烙印」毎日新聞2021.12.23 東京夕刊 2頁  ②BCNeスポーツ部「eスポーツ×教育の最前線! セガの高校eスポーツ部応援プロジェクトとは」2022.01.16 https://esports.bcnretail.com/news/220116_000468.html

今後の研究の推進方策

【令和4年度研究計画】
引き続き新型コロナウィルス感染症に留意しつつ、慎重に研究を進める予定である。
(1) eスポーツが初めて公式競技として採用される、第19回アジア競技大会(中国・杭州)を視察する予定である。
(2) 令和3年度に実施した講演会「eスポーツの社会的価値を考える : eスポーツ×教育の最前線「『ぷよぷよeスポーツ』高校eスポーツ部応援プロジェクト」の実践」を通して、北海道医療センターの事例研究に取り組む機会を得たので、ユニバーサル・スポーツとしてのeスポーツの社会的価値について、研究を推進する予定である。
(3) 青山学院大学総合プロジェクト研究所「知財と社会問題研究所」において、「知財を活用した社会問題解決」というテーマで研究を進めているので、相乗効果があるものと考えている。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウィルス感染症のため、研究活動を抑制せざるを得なかったため、次年度使用額が発生した。
2022年度は、出張旅費等に充当して、研究を推進する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 「eスポーツの社会的価値を考える : eスポーツ×教育の最前線「『ぷよぷよeスポーツ』高校eスポーツ部応援プロジェクト」の実践」2022

    • 著者名/発表者名
      川又 啓子、五十嵐 勝、正廣 康伸、飛車ちゅう
    • 雑誌名

      『青山学院総合文化政策学』

      巻: 13 ページ: 65-94

    • オープンアクセス
  • [図書] ジャパニーズ・ポップカルチャーのマーケティング戦略2022

    • 著者名/発表者名
      川又 啓子、三浦 俊彦、田嶋 規雄
    • 総ページ数
      290
    • 出版者
      千倉書房
    • ISBN
      9784805112540
  • [図書] [Ch.12] "Cultural Events and Japanese Pop Culture in Europe", in Managing Cultural Festivals: Tradition and Innovation in Europe(eds. Elisa Salvador, Jesper Strandgaard Pedersen), pp,232-2492022

    • 著者名/発表者名
      Norio Tajima, Keiko Kawamata, Shoetsuro Nakagawa, Toshihiko Miura
    • 総ページ数
      318
    • 出版者
      Routledge

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公開日: 2022-12-28  

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