研究課題/領域番号 |
21K12496
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研究機関 | 四天王寺大学 |
研究代表者 |
太田 健二 四天王寺大学, 人文社会学部, 准教授 (60506997)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | ポピュラー音楽 / コロナ禍 / ミュージックベニュー |
研究実績の概要 |
コロナ禍において感染リスクが高いことを理由に規制されたミュージックベニューという空間とは、そもそもどのように論じられてきたのか。磯村英一の都市における第三空間論や音楽と関わるサブカルチャーを対象としたカルチュラル・スタディーズなど、ミュージックベニューに関する先行研究の整理を行い、その意義を再考した。 また、郊外のライブハウスに対してインタビュー調査を継続的に実施した。大都市商業地区にあるミュージックベニューとは違い、郊外にあるライブハウスは、近隣の高校生など若者たちが音楽活動(演奏や公演など)をはじめるゲートウェイとしての機能も担い、第一空間や第二空間とも深く関連する場でもあることを確認した。コロナ禍は、営業自粛や営業時間短縮、感染防止対策として人数や発声の制限が要請された。法制上、飲食店営業許可だけで営業可能なライブハウスにとって、要請を遵守することで得られる補償金などは、営業を続ける上で非常に大きな役割を果たした。その一方で前述の音楽活動をはじめるゲートウェイとしての機能は、危惧されるほど不全に陥らせたことがわかった。これにより、若者が音楽活動を始めるきっかけが失われ、音楽文化を衰退させる懸念も生じている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ禍により、ライブハウスやクラブなどのミュージックベニューも営業自粛することが多かった。また研究者側も出張を自粛せざるを得なかった。Zoomなどビデオ会議システムも活用できたものの、結果的にはうまく調査協力者を広げることが出来なかった。同様に、GISに関するアドバイスや知見も十分に得られなかった。
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今後の研究の推進方策 |
ライブ・コンサートや音楽イベントを企画運営する主体にも調査対象範囲を広げ、コロナ禍における影響や会場となる空間について調査を進めていく。また、GISに関するアドバイスや知見を得て、データ収集と分析を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
少額の繰越金が生じたが、調査協力者に対する人件費に充てる予定である。
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