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2022 年度 実施状況報告書

北朝鮮ドラマ/映画のジェンダー表象と家父長制に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K12505
研究機関文教大学

研究代表者

山下 英愛  文教大学, 文学部, 教授 (80536235)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2026-03-31
キーワード韓国ドラマ / 北朝鮮ドラマ / フェミニズムドラマ / 家父長制 / ジェンダー規範
研究実績の概要

本研究の問いは、①北朝鮮社会における生活世界のジェンダー規範はどのようなものなのか、体制側はドラマ/映画を通してどのような理想像を示し、それを体制維持につなげてきたのか?②長年同じ家父長制文化を有してきた南北のジェンダーは、分断後どのように変化してきたのだろうか?共通点があるとすれば、それはどのような点なのか?というものである。これらの問いを究明するために、①北朝鮮のドラマ/映画を視聴・分析し、それぞれのジェンダー的特徴を考察する。②朝鮮半島の家父長制の現代的変容という視点から、北朝鮮ドラマ/映画と韓国ドラマとを比較し、ジェンダー特徴の共通点と相違点を探ることである。
本年度は、当初、60~70年代の映像に焦点を当てる予定だったが、この時代の韓国ドラマは視聴が難しく、文献調査を中心に行なわざるをえなかった。また、北朝鮮のドラマについても、視聴が可能だったのは70年代末以降のものに限られた。さらに、比較の軸としての分析枠組みや分析ポイントを設定するのが容易ではなく、方法論的な考察を深める必要があった。
これらの問題と格闘しつつ、本年度は以下の作業を行った。①映像及びジェンダーに関する北朝鮮研究(論文及び書籍)を中心に収集し、学習した。②北朝鮮の映像の収集及びリスト化作業。③北朝鮮の映像と比較するための韓国の初期の映像(50年代の映画と80年代ドラマ)を収集・視聴し、分析作業を行った。80年代のドラマ「半分の失敗」(24話)については、映像を購入することができた。さらに、韓国の清州市にオープン(2020年)した金秀賢ドラマアートホールを訪問し、韓国ドラマの歴史的理解を深めることができた。④とりわけ③に関する研究内容を講演などを通して発表した。⑤K-Gender 研究会活動の継続。⑥次年度の国際学会でのパネル発表の準備、などを行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

今年度は二度の韓国訪問を行った。金秀賢ドラマアートホールでは韓国ドラマの歴史を理解する上で大きな収穫があり、二度目の訪問ではKBSで80年代のドラマを購入することができた。その一方で、北朝鮮の映像に関する研究を論文にまとめる作業ができなかった。その理由は、①今年度に入って予定外の校務を任され、時間を取られてしまったこと。②その影響もあって体調を崩したこと。③本研究とは直接関係はないが、これまで筆者が進めてきた研究に関して、昨年2月に新版本を出版した影響で、韓国の国際カンファレンスでの発表や論文執筆を依頼され、本研究に割ける時間が限られてしまったことなどが挙げられる。

今後の研究の推進方策

今後の予定は以下の通りである。
①国際学会(バークシャー)で北朝鮮の映像とジェンダーに関するパネルを組み、発表を行う。
②2023年9月から1年間、米国のラトガース大学の北朝鮮研究者のもとで在外研修を行う。そこで、米国における北朝鮮研究の現状について把握し、北朝鮮の映像研究やジェンダー研究に関する論文等を収集する。また、滞っていた論文執筆を再開する。
③北朝鮮の映像と比較する上で必要となる韓国ドラマに関する研究をまとめる予定である。

次年度使用額が生じた理由

2022年10月及び2月の訪韓調査旅行費用が円安と航空機の燃料費高騰により予想以上に高額だったため、これらを次年度分で支出することにした。残額が生じたのはそのためである。
2023年度は、それらの支出に加えて在外研究にかかる費用が見込まれるため、2024年度分から増額した。
2024年度の後半期は本務校に戻って研究を行う予定だが、海外調査などは行わない予定なので問題はない。

  • 研究成果

    (13件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件、 招待講演 6件)

  • [雑誌論文] キム・スヒョン ドラマアートホール(下)韓流~フェミニズムドラマの潮流⑤2023

    • 著者名/発表者名
      山下英愛
    • 雑誌名

      ふぇみん

      巻: 3341 ページ: 4

  • [雑誌論文] ノ・ヒギョン作家(上)韓流~フェミニズムドラマの潮流⑥2023

    • 著者名/発表者名
      山下英愛
    • 雑誌名

      ふぇみん

      巻: 3344 ページ: 4

  • [雑誌論文] 日本軍慰安婦運動の現在の課題を考えるーこの間の問題提起を振り返りつつ2022

    • 著者名/発表者名
      山下英愛
    • 雑誌名

      紛争と女性人権:移行期の正義と責任の政治

      巻: - ページ: 55-68

    • 国際共著
  • [雑誌論文] フェミニズムドラマの登場 韓流~フェミニズムドラマの潮流①2022

    • 著者名/発表者名
      山下英愛
    • 雑誌名

      ふぇみん

      巻: 3330 ページ: 5

  • [雑誌論文] 30代女性の脚本がドラマ界を牽引 韓流~フェミニズムドラマの潮流②2022

    • 著者名/発表者名
      山下英愛
    • 雑誌名

      ふぇみん

      巻: 3333 ページ: 5

  • [雑誌論文] アジュンマ旋風 韓流~フェミニズムドラマの潮流③2022

    • 著者名/発表者名
      山下英愛
    • 雑誌名

      ふぇみん

      巻: 3336 ページ: 5

  • [雑誌論文] キム・スヒョン ドラマアートホール(上)韓流~フェミニズムドラマの潮流④2022

    • 著者名/発表者名
      山下英愛
    • 雑誌名

      ふぇみん

      巻: 3339 ページ: 5

  • [学会発表] 韓国ドラマとフェミニズムの歩み~面白さの源泉をさぐる~2023

    • 著者名/発表者名
      山下英愛
    • 学会等名
      ふぇみんオンライン講座
    • 招待講演
  • [学会発表] 日本軍”慰安婦運動”の現在の課題をを考える~この間の問題提起を振り返りつつ2022

    • 著者名/発表者名
      山下英愛
    • 学会等名
      日本軍”慰安婦”被害者記念日 国際フォーラム「紛争と女性人権:移行期の正義と責任の政治」ソウル特別市・梨花女子大学女性研究院共催
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] お隣り韓国のジェンダー事情~だから韓流ドラマは面白い~2022

    • 著者名/発表者名
      山下英愛
    • 学会等名
      西東京市男女共同参画週間講演会
    • 招待講演
  • [学会発表] 岐路に立つ韓国フェミニズム2022

    • 著者名/発表者名
      山下英愛
    • 学会等名
      憲法ひろば
    • 招待講演
  • [学会発表] 私のアイデンティティを語る~日本とコリア、そしてジェンダー2022

    • 著者名/発表者名
      山下英愛
    • 学会等名
      ヒューライツ大阪
    • 招待講演
  • [学会発表] 私たちはなぜ韓国ドラマにハマるのか?~ジェンダーの視点から考える~2022

    • 著者名/発表者名
      山下英愛
    • 学会等名
      越谷市男女共同参画センター
    • 招待講演

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公開日: 2023-12-25  

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