• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 実施状況報告書

性的少数者の出産に関する国際比較:産む人と出産介助者における性の多様性

研究課題

研究課題/領域番号 21K12520
研究機関大手前大学

研究代表者

藤井 ひろみ  大手前大学, 国際看護学部, 教授 (50453147)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードジェンダー / 多様性 / 助産 / Sexual/Gender Minority / 性的少数者 / LGBTQ
研究実績の概要

2022年度は、COVID-19感染拡大の影響下から徐々に脱し、各国との交流が下半期より一部可能となった。当初計画していたデータ収集候補国・地域であるオーストラリア、ニュージーランド、シンガポール、タイ、韓国、台湾の各国・地域のうち、以下の研究者らとの協同を開始した。2022年9月~:タイ・チェンマイ大学看護学部、2023年2月~シンガポール・NYP看護学科、2023年3月~:台湾・ツーチー科義技大学看護学部及び韓国・延世大学看護学部の、各々看護研究者と、研究者の所属大学内での会議またはzoomミーティングを実施した。今後2023年度には、研究者が渡航して直接データ収集をこなう予定である。
一方で、2023年5月開催のG7広島サミットのエンゲージメントグループであるWomen7、Pride7の会議開催準備や運営等に関わり、本研究テーマに関連するセクシュアルリプロダクティブヘルス・ライツの多岐にわたる最新の動向を得た。
また本研究の根幹をなす、日本の助産師制度とジェンダー多様性に関する論考をまとめ、出版準備中である(仮題「SOGIと社会」出版社受領済)。
他に、2023年6月開催のICM(international confederation of midwives)のTriennial Congressへの応募演題が採択され、日本の助産師制度がジェンダーを限定していることに関する国内インタビューの結果と、そのことに関する看護学生のフォーカスグループインタビューの結果(2021年度本研究実施)を公表する準備を進めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2021年度のCOVID-19感染症拡大下での海外渡航制限により、現地のフィールドワークが全面的にできなかったことの影響を受け、2022年度の研究活動も日本国内に限った国際交流にとどまり、実質的な国際比較が困難な状況が続いたことから、データ収集の重要部分に欠落があり、それを補する必要が生じている状況である。

今後の研究の推進方策

本研究は、出産する人のgender状況により出産の形態や経過に差異があるかどうかを、出産を経験したトランスジェンダーやレズビアンなどの性的少数者と、そのケアを提供する助産師らGMS/SGDM専門家へのインタビューによって明らかにし、その国際比較を通じて、多様なgender状況に対応し得る、新たな出産と助産ケアの論理を見出すことを目的としている。2022年度に国際協同を開始した台湾、韓国、シンガポール、タイで、2023年度に現地調査を行う。また遅れていたオーストラリアに関しても、2023年度10月には現地を訪れる予定である。ニュージランドに関しては、全体の研究進捗が遅れていることから、本研究では扱わないこととした。
以上、5か国現地でのインタビューを実施し、日本国内からの遠隔調査では把握できないデータを収集する。

次年度使用額が生じた理由

COVID-19感染症拡大による渡航制限解除の時期が国により異なり、海外渡航を含む研究計画が大幅な変更を余儀なくされた。このため、渡航に伴う研究費支出は次年度に持ち越すこととした。
具体的には、2023年度8月~9月に台湾、韓国、シンガポール、タイへの本研究費による渡航を計画している。また10月にオーストラリアに渡航予定であるが、これに関しては、別途研究費を使用可能である。また研究成果の途中発表として、6月にインドネシアでの国際学会(ICM)に渡航予定である。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件、 招待講演 4件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 大学における根拠に基づいた性的多様性への対応2022

    • 著者名/発表者名
      藤井ひろみ,神谷悠一
    • 雑誌名

      大手前大学論集

      巻: 21 ページ: 53-67

    • 査読あり
  • [雑誌論文] LGBT, SOGI (性的指向・性自認) に関わる課題と解決への役割2022

    • 著者名/発表者名
      藤井ひろみ
    • 雑誌名

      医学の歩み

      巻: 281(7) ページ: 751-754

  • [雑誌論文] LGBTQ を理解する:多様な性を視野に入れた看護の実践-第6回『問診票』から見えるLGBTQへの対応2022

    • 著者名/発表者名
      藤井ひろみ
    • 雑誌名

      看護技術

      巻: 68(7) ページ: 712-716

  • [学会発表] The Online Learning Formation for Nursing Students: Focusing on Teaching Style Changes During Covid-19, Pandemic2022

    • 著者名/発表者名
      Fujii H.
    • 学会等名
      International Webinar of Jakarta III Health Polytechnic.2022.4.14. Indonesia.
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Utilization of HealthTechnology in Maternal and Child Health Services: The Perspective on Maternal Nursing and Midwifery Education in Japan.2022

    • 著者名/発表者名
      Fujii H.
    • 学会等名
      International Webinar of GUNADARMA University.2022.6.29. Indonesia.
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 多様な母子・家族への助産師の支援-LGBTQの親・子ども家庭の場合-2022

    • 著者名/発表者名
      藤井ひろみ
    • 学会等名
      2022年度公益社団法人日本助産師会近畿地区研修会.2022.10.30.大阪
    • 招待講演
  • [学会発表] 性の多様性と看護について一緒に考えてみよう2022

    • 著者名/発表者名
      藤井ひろみ
    • 学会等名
      公益社団法人兵庫県看護協会合同研修会. 2022.10.15.兵庫.
    • 招待講演
  • [図書] 医療者のためのLGBT講座2022

    • 著者名/発表者名
      藤井ひろみ
    • 総ページ数
      193
    • 出版者
      南山堂

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi