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2023 年度 実施状況報告書

アバランシェ半導体を用いたパルス電源の開発

研究課題

研究課題/領域番号 21K12527
研究機関大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構

研究代表者

内藤 孝  大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 研究員 (90391713)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2026-03-31
キーワードAvalanche / 半導体 / キッカー
研究実績の概要

Avalanche半導体(Avalanche mode thyristor:AMTと略す)を使った高電圧大電流パルス源の開発として、
1)昨年度、特許申請を行い特願2022-117311として申請した。この特許に関連して、トリガー回路を工夫した回路を試作して実証を行った。具体的にはAMT6段、ドライブ用に通常ゲートトリガーThyristor10段、合計16段構成の回路を試作した。最大25kVまで運転可能であり、試験では20kV印加時10Ω負荷に対してパルス幅500ns, 0.8kAのパルス出力を得ている。
2)保護回路の開発:印加電圧が大きくなるに従って、パルス電流も大きくなるがAMTは何らかの原因で故障する可能性がある。大電流によって故障した場合AMTがショート状態となり、AMTは1個がショート状態になると多段接続されている他のAMTに故障したAMTが担っていた電圧が加わるため他のAMTにも故障の可能性が増し、結果的に複数のAMTの故障を招くことになりかねない。この問題に対して故障を検出した段階でスイッチ回路を停止する保護回路の開発した。
今後、保護回路の効果を確認した上でさらに印加電圧を上げパルス電流の増加を試みる予定である。問題がなければAMTの段数を増やし、さらに高電圧、大電流のスイッチを行いその特性を評価する予定である。半導体は発熱の問題もありパルス動作での限界を評価することも重要な項目である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

特許申請した方式を実験である程度確認することで、今後の実用化を見据えた開発を目指すことが出来るようになった。
保護回路の開発によって、AMTの故障をある程度回避する見通しがつき、試作段階から長期寿命の評価も視野に入れた開発が可能となった。

今後の研究の推進方策

1)この半導体スイッチを使ったパルス電源を加速器のキッカー電源に使用出来るものを開発し、高エネルギー加速器研究機構キッカー開発電源に実際に組み込み試験を行う。
2)この半導体スイッチを大電流で使用した場合の寿命は重要な項目である。通常、半導体の寿命は半永久的であるが大電流で高速のパルスを通過させた場合、サイラトロン放電管と同等以上の寿命を持つのかを評価する。
3)キッカー電源として使用に問題がないことが確認出来れば、実際の加速器でサイラトロン放電管を半導体スイッチに置き換え、ビーム運転により評価を行う。

次年度使用額が生じた理由

開発は、まだ目標仕様より小型の装置で行っているため次年度に大型の試験装置を購入する必要があるため。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] アバランシェサイリスタスイッチを用いたキッカー電源の動作試験2023

    • 著者名/発表者名
      内藤孝 他
    • 雑誌名

      加速器学会論文誌

      巻: 1 ページ: 716-719v

  • [学会発表] アバランシェサイリスタスイッチを用いたキッカー電源の動作試験2023

    • 著者名/発表者名
      内藤孝
    • 学会等名
      加速器学会
  • [産業財産権] 半導体スイッチ2022

    • 発明者名
      内藤 孝
    • 権利者名
      高エネルギー加速器研究機構
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      特願2022-117311

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公開日: 2024-12-25  

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