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2023 年度 実績報告書

地域に残された歴史的造形物の造形特性の解明 -帰属判定と「作風」同定に向けて

研究課題

研究課題/領域番号 21K12541
研究機関千葉大学

研究代表者

久保 光徳  千葉大学, デザイン・リサーチ・インスティテュート, 教授 (60214996)

研究分担者 植田 憲  千葉大学, デザイン・リサーチ・インスティテュート, 教授 (40344965)
桃井 宏和  公益財団法人元興寺文化財研究所, 研究部, 研究員 (50510153)
田内 隆利  千葉大学, デザイン・リサーチ・インスティテュート, 准教授 (70236173)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード歴史的造形物 / 造形特性 / 地域性 / 作風同定 / 帰属判定 / 宮彫 / 民具 / デザイン
研究実績の概要

地域に残された歴史的造形物として民具(箕,籾摺臼,犂,出土用途不明品としての踏鋤)と宮彫(社寺彫刻,特に龍の彫刻)を中心にその造形に対する数理的な分析を実施し,それぞれの造形特性に見られる特徴と地域および制作者による差異と共通点(普遍性)の解明を試みた。その結果,遺跡から発掘される木製の用途不明品の数点が,人力による農具の基本である踏鋤に属するものであることを,構造力学的手法(構造・機構シミュレーション)および人間工学的な視点において論理的に示唆した。また,箕の代表的な機能の一つである風の力を利用した籾と籾殻の選別作業である風選機能のCFDによる可視化を行い,箕の形態と風選作業における箕周囲の空気の動きとの関係性を解明し,箕の地域性の数理的な指標を提示した。宮彫に関しては,江戸時代末期にから明治初期にかけて海外に流出した龍の彫刻を中心に,国内外において共同研究者を得,その造形物の作風同定,帰属判定プロジェクトが始動し,現在も進行中である。特に,宮彫における作風同定手法は,彫刻に代表される造形物全般に対する形態上の帰属判定にも展開できる可能性が指摘されている。
研究期間全体を通じて実施した研究の成果としては,研究対象個々への新しい知見の提示以上に,研究課題名に示されているように地域に残る歴史的人工物に対して,民俗学,考古学,東洋美術史学の専門家とともに,工学・デザイン学の視点と手法を持って,実質的な横断領域での学際的な研究が展開され,研究期間終了後も実質的な研究プロジェクトとして継続されていることも,その成果の一つと理解している。今後も同課題は継続的に進められ新しい視点での博物学および人類学的な学問の体系化につながるものと期待している。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (3件) 学会発表 (4件) 図書 (2件) 備考 (1件)

  • [国際共同研究] Facult des lettres, Sorbonne universit(フランス)

    • 国名
      フランス
    • 外国機関名
      Facult des lettres, Sorbonne universit
  • [雑誌論文] 計測・解析から木製品の用途を推定する2024

    • 著者名/発表者名
      桃井宏和・久保光徳・高橋敦
    • 雑誌名

      考古学ジャーナル

      巻: 791 ページ: 33-37

  • [雑誌論文] ポリゴンメッシュの法線ベクトル終点分布から見る宮彫彫刻の造形傾向2024

    • 著者名/発表者名
      久保光徳
    • 雑誌名

      MIYABORI

      巻: 1 ページ: 9-10

  • [雑誌論文] 地域に残された歴史的人工物の造形特性の解明2023

    • 著者名/発表者名
      久保光徳・桃井宏和・高橋敦
    • 雑誌名

      考古学ジャーナル

      巻: 784 ページ: 33-37

  • [学会発表] 龍頭3Dモデルの作風同定2024

    • 著者名/発表者名
      久保光徳
    • 学会等名
      令和5年度一般社団法人日本宮彫協会研究報告会
  • [学会発表] アクドの補強に関する実験報告2023

    • 著者名/発表者名
      久保光徳
    • 学会等名
      第8回 箕の研究会
  • [学会発表] ポリゴンメッシュの法線ベクトル終点分布から見る彫刻の造形傾向-川崎市多摩区菅北浦子之神社の本殿彫物の造形を中心に2023

    • 著者名/発表者名
      久保 光徳、小野 貴登司
    • 学会等名
      日本デザイン学会第70回研究発表大会
  • [学会発表] ポリゴンメッシュの法線ベクトル終点分布から見る子之神社昇り龍の造形傾向2023

    • 著者名/発表者名
      久保光徳
    • 学会等名
      令和4年度一般社団法人12851;日本宮彫協会研究報告会
  • [図書] 箕 自然を編む知恵と技2024

    • 著者名/発表者名
      今石みぎわ,他14名
    • 総ページ数
      430
    • 出版者
      独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所無形文化遺産
  • [図書] デザイン材料2024

    • 著者名/発表者名
      文部科学省
    • 総ページ数
      240
    • 出版者
      海文堂出版株式会社
  • [備考] 箕 自然を編む知恵と技

    • URL

      https://tobunken.repo.nii.ac.jp/records/2000090

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公開日: 2024-12-25  

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