研究課題/領域番号 |
21K12542
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研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
吉田 哲也 奈良女子大学, 工学系, 教授 (80294164)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | スモッキング / 折り紙 / パターン生成 / デジタル・ファブリケーション |
研究実績の概要 |
廉価な計算機やネットワークの普及により,手芸に対してもデジタル・ファブリケーションを活用することが求められている.そこで,本研究では計算折り紙に基づくスモッキングのパターン生成の研究開発を行う.これを実現するために,(1) 計算折り紙に基づくスモッキングのパターンの定式化,(2) 展開図に基づくパターン生成アルゴリズムの開発,(3) 被服の実制作を通じた評価・検証,に取り組む. 上記の目的を実現するために,本年度は,計算折り紙に基づくスモッキングのパターン生成の定式化に取り組んだ.具体的には,下記の項目を実施した. (1) 布の表面の模様の造形に必要なプリーツの折りたたみ操作を折り紙のねじり折りに対する展開図として表現する.このために,折り方の山谷割り当てを指定した折り線が模様の頂点に接続する平面グラフを定義し,折りたたみによる造形を折り線による鏡映変換の合成写像として表現し,展開図に基づくパターンを定義する.さらに,模様ごとに折り線への山谷割り当てが指定された展開図をプリーツを共有するように組み合わせて装飾全体の展開図を生成する配置問題を定式化した. (2) 上記(1)で定式化する,折り紙の展開図に基づくスモッキングのパターンに対して,造形する模様をパターンに写像するための相似比と回転角を導出し,展開図に対する幾何学的変換を用いてパターンを生成するアルゴリズムを開発した. (3) 上記で開発したアルゴリズムを,幾何オブジェクトの操作が可能なGeoGebra を用いてプロトタイプシステムとして実装した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は,主として計算折り紙に基づくスモッキングのパターン生成の定式化に取り組み,この定式化に基づくアルゴリズムの開発まで取り組むことができたため.
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今後の研究の推進方策 |
今年度に実施した,計算折り紙に基づくスモッキングのパターン生成の定式化の改良をさらに進めるとともに,幾何オブジェクトの操作が可能なGeoGebraを用いて実装したプロトタイプシステムの改良を行う予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は,計算折り紙に基づくスモッキングのパターン生成の定式化を優先して研究を実施したが,定式化の検証の際には既存の計算機を用いたため,アルゴリズム開発用計算機の購入などは次年度以降に行うことになった.このため,本年度に実施した定式化を更に進めるとともに,定式化に基づくパターン生成アルゴリズムの開発を行い,開発するアルゴリズムを実装するためのアルゴリズム開発用計算機などを購入する予定である.
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