研究課題/領域番号 |
21K12555
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研究機関 | 神戸芸術工科大学 |
研究代表者 |
曽和 英子 神戸芸術工科大学, 附置研究所, 研究員 (80537134)
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研究分担者 |
ばんば まさえ 神戸芸術工科大学, 芸術工学部, 研究員 (00249202)
曽和 具之 神戸芸術工科大学, 芸術工学部, 准教授 (00341016)
安森 弘昌 神戸芸術工科大学, 芸術工学部, 准教授 (20341018)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 細幅織物 / 経浮織 / 織機 / 中国少数民族 / 伊波メンサー / ブータン / 台湾タイヤル族 / 蛇信仰 |
研究実績の概要 |
本研究は、諸民族の腰帯や飾り帯など、細幅織帯の紋様に視点を当て、その文化的意味と構成美を解明すると同時に、製織技術と織具がその紋様作りに果たした役割を明らかにすることを通して、紋織り帯の文化を体系化することを目的とする。2023年度は、主に以下の3つの研究活動を展開した。 1)紋様の製織技術と織り機についての現地調査:台湾タイヤル族の織り機については、2022年度に民博の収蔵品の実測調査を実施したが、経巻箱など独特な形態が持つ意味をまだ理解することができなかった。今年度には、実際台湾に行ってタイヤル族の織り機を用いた製織体験を行い、林淑莉先生へのインタビューを通して、織り機の造形に秘められた織り機の民族学的意味を確認することができた。なお、2024年2月には沖縄の伊波メンサー織りの現地調査を実施し、竹クシを使った紋様織りの手法を、現地にて直接確認することができた。 2)セミナーの開催と帯文化の現代的継承についての探究:2024年3月5日ー8日、神戸芸術工科大学のギャラリー・セレンディップで「アジアの経紋織・織り機:帯の文化との交差点」展示会を開いた。展示会場においては、来場者に向けた小さなセミナーを実施し、紋様や技術、道具から読み解く帯の文化を解説し、帯文化の現代的継承について議論した。 3)紋様織技法のワークショップの教材:多様な経紋織の技術を、経糸の並べ方の法則によって分類し、平板に経糸を一定の規則で巻きつけ、緯糸の代わりに竹クシを通して紋様を表した「経紋織り組織の教材」を作成した。竹クシを動かしながら経糸の並びと浮きを確かめることができ、浮糸の規則性を理解することができるという仕組みである。 また、展示会においては、来場者に向けた弓織りのワークショップを通して、帯織り体験と文化継承の一つの可能性について話し合うことができた。
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