研究課題/領域番号 |
21K12562
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
平沢 隆之 東京大学, 生産技術研究所, 助教 (60415023)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 駐車場 / 空間デザイン / 生態心理学 / 行動観察 / 設計フレーム |
研究実績の概要 |
大型駐車場エリアの駐車用車室や走行経路の設計に関連する、道路・建築分野での既往国内ガイドライン類を網羅的に調査した。その結果、今後のドライバーとモビリティの多様化に柔軟対応し得るような、エリア内走路交錯の解消に実用的な設計要領が国内現存しないことを、関連技術者との情報交換も交える形で確認した。そこで、利用者視点での交通空間快適化デザインにも適用実績のある、生態心理学的なデザイン改善アプローチを適用することにした。すなわち、既存大型駐車場エリアでの走路交錯に起因する不安全状況の解消を目標として、行動観察と評価シミュレーションに基づく、安心で快適な駐車場エリアの設計検討フレームを提案した。 提案した設計検討フレームの第一段階作業として、自然的な駐車行動の観察を実施した。国土交通省地方整備局国道事務所および道の駅管理者の許可を得て、国道事務所が直轄管理する道の駅の大型駐車場エリアを対象に、ビデオ観測調査を実施した。駐車場エリアを俯瞰する複数画角から、一般利用者の駐車行動状況を映像データ記録した。この中から、改善対策を要すると考えられる走路交錯シーンをパターン別に検出し、国内関連学会において一件の論文発表として速報した。この発表結果も踏まえて国道事務所管理者と情報交換を行い、駐車場管理者として対策を要するパターンに関する認識を共有した。併せて、次年度実施予定のモニタ被験者実験への留意事項を確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ガイドライン関連技術者との意見交換を複数回実施し、一件の論文発表も実施し、その後に道の駅管理者との情報共有まで実施できた。この結果、次年度以降の実験構想をスムーズにまとめられた。
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今後の研究の推進方策 |
初年度に選定した道の駅の駐車場エリア一部区画において、インフォームドコンセントを得たモニタ被験者による駐車行動実験を実施する。その結果から、快適性と安心感の観点から望ましい駐車場内運転経路デザインの在り方を導出し、国内外の技術者との意見交換を実施して、大型駐車場エリアの安心・快適な機能向上に向けた技術資料としてまとめる。
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