研究課題
田中、氏間、木内らは、医療機関のウェブページへのアクセシビリティを向上させるため、視覚障害者でも超拡大フォントでウェブページを閲覧できる医療機関向けウェブページモデルを開発し、視覚障害のある人々を対象としたアンケート調査によってモデルを評価した。 架空の医療機関のWebページを作成し、多くの医療機関Webページで見られる2カラムレイアウトA(比較対象、文字サイズを標準の2倍に固定)と1カラムレイアウトB(大きなサイズのフォントを表示できる評価対象モデル)の2つのレイアウトを適用した。視覚障害者にAとBを順番を変えて提示し、①どちらが理解しやすいか、②どちらが目的の情報を見つけやすいかを尋ねた。全40件の提示のうち、②の質問では29回、②の質問では23回 B が選ばれた。この結果について片側5%の二項検定を行うと、①については有意水準5%を下回ったが②の結果は有意水準を上回った。また①の質問でBを選んだ人の62%が漢字の読みに困難を経験しており、Bを選ばなかった人の27%が困難を経験している。これらのことから、モデルページの1カラムレイアウトは文字サイズが大きくできる代わりに画面スクロールが長くなる点が不評ではあるものの、最も重要な文字を読むことが困難な重度の視覚障害者のウェブアクセシビリティの向上にこのモデルが有効であると結論づけた。また関連するテーマとして、田中らは国際生活機能分類(ICF)を用いた視覚障害者の相談内容の分析などの視覚リハビリテーションに関する研究を、氏間らは視覚障害児の教育に関する研究を、木内らは失明原因の上位である緑内障の治療に関する基礎研究を、それぞれ実施した。
4: 遅れている
Webページに関する視覚障害者に対するアンケートでは文字を推測して読む当事者の割合が多く、当初想定していたよりも偏心視の際の語彙推論の効果が大きいことが推測されたため、視線解析用Webページの再検討を行った。またCovid-19の流行および今年度のインフルエンザの流行により視線解析の前段階となる晴眼者向けヒアリング作業の実施を見合わせたため。
令和5年度までの結果を考慮して、研究参加者のWebページの読み方についてのアンケート設問を令和6年6月までに設定し、7月から9月にかけて実施し、同意を得た一部の研究参加者の視線解析を10月から12月にかけて実施する予定。
Webページに関する視覚障害者に対するアンケートでは文字を推測して読む当事者の割合が多く、当初想定していたよりも偏心視の際の語彙推論の効果が大きいことが推測されたため、視線解析用Webページの再検討を行った。またCovid-19の流行および今年度のインフルエンザの流行により視線解析の前段階となる晴眼者向けヒアリング作業の実施を見合わせたため。ヒアリングおよびアンケートの謝金と作業費、結果の発表旅費と論文投稿料および諸雑費の費用として使用を計画している。
すべて 2024 2023
すべて 雑誌論文 (10件) (うち査読あり 8件、 オープンアクセス 7件) 学会発表 (14件) (うち国際学会 2件)
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