研究課題/領域番号 |
21K12609
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
山下 和香代 鹿児島大学, 理工学域工学系, 助教 (70580067)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 自然環境下 / 人物検出 / 動き |
研究実績の概要 |
本研究は、自然場面において動きだけから人物検出および人物同定といったヒトにおける知覚認知機能の発達の解明を目的とする。動きだけから人物検出及び人物同定といった知覚認知が可能かどうかを検証するために、様々な事象、事物などの情報が重畳した日常環境(自然場面)動画を取得し、その自然場面から抽出されたオプティカルフローに沿ってランダムに分布するドットが動く動画(ドット動画)を用意した。本年度は、成人に対して、自然場面動画とそのドット動画を用い人物検出課題を実施した。成人は、自然場面動画と同じようにドット動画においても人物検出率が高かった。一方、自然場面動画とそのドット動画を倒立提示すると、自然場面動画では人物検出率が高かったが、ドット動画では人物検出率が低下した。このことから、動きだけから人物を検出することが可能であること、そして、動きだけから人物を検出することに倒立効果が生じることが示唆された。また、実験では人物検出課題遂行中の成人の眼球運動を計測しており、データを分析中である。2022年度は、さらに眼球運動計測のデータ分析を進め、自然場面動画観察時とドット動画観察時による比較や正立提示観察時と倒立提示観察時の比較など行い、視線と動きだけから人物を検出することの関係を明らかにする予定である。これら一連の分析結果については、研究成果として学会発表や学術論文として公表することを目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルス感染症拡大防止のために入構制限が設けられるなど研究活動の遂行が困難な場面が多かった。制限が緩和された合間をみて成人対象の実験は進めたものの、低年齢児対象の実験は感染拡大を避けるための環境を整えることができなかったため中止せざるを得なかった。
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今後の研究の推進方策 |
成人における取得済みの実験データの解析をすすめ、それをもとに考察を行い、研究成果の公表を目指す。感染防止のための設備備品をそろえ環境を整えた後、なるべく早い段階で低年齢児対象の実験を遂行する。低年齢児の実験データと成人の実験データから動きだけから人物検出機能の発達と視線の関係性を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染症流行の影響を受け、感染拡大リスクを避けるため、研究遂行が困難な時期が断続的にあったり、現地参加を予定していた学会がオンライン実施であったため旅費の支出がなく次年度使用額が生じた。今後の使用計画は、次の実験を実施するための設備購入、データ取得のために協力してくださる低年齢児への謝金、研究成果を学術論文としてまとめ投稿にかかる費用、英文校閲に使用予定である。
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