研究課題/領域番号 |
21K12612
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
福井 隆雄 東京都立大学, システムデザイン研究科, 准教授 (80447036)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 到達把持運動 / 運動学的特性 / 把持力調節 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,多様化が進む現代社会における自閉スペクトラム症者を含む発達障害者の運動特性の理解を促すために,三次元動作解析装置と圧センサーを用いて,1) 自閉スペクトラム症者と定型発達者の比較,2) 自閉傾向との関連を考慮した分析を通して,発達傾向に応じた動作連結化における触知覚特性と把持力調節過程を明らかにすることである.本研究課題の第1段階は,現在までほぼ別個に研究されてきた,運動実行時の運動学的特性と(触覚を伴う)把持力計測を同時計測可能な実験系を構築することであり,本年度はその構築を進めた.三次元動作解析装置については既に導入済であり,6軸力覚センサーを2本のアクリル棒で挟み,(把持方向と垂直な力が発生するのを防ぐため)L字のポリ塩化ビニル部品を組み合わせたカバーを施した物体を把持物体として利用した.力覚センサーと三次元動作解析装置の時間同期を行い,8名の参加者で予備的検討を行ったところ,概ね問題なく計測できたが,参加者や試行によっては,物体を把持した際にひねりの力が加わったためか,うまく計測できない場合があった.今後この把持力計測の問題の原因を同定し,実験セットアップを改善し,合わせて,参加者への把持方法(掴み方)に関するより適切な教示方法・内容を検討した上で,本実験を行い,動作間遷移時間(把持終了から持ち上げ動作開始までの時間)と把持力の関連などを検討する予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
到達把持動作の運動学的特性と把持力の同時計測可能な実験セットアップについて,概ね予定通りに構築できた.コロナ感染予防対策を行いながら,予備実験を実施することもできた.
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今後の研究の推進方策 |
本年度の予備実験より明らかになった実験セットアップの問題点を解消後,引き続きコロナ感染予防対策に留意しつつ,本実験を行っていく.
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次年度使用額が生じた理由 |
予定した学会参加などの出張がコロナ禍のため実施できなかったこと,また,実験についても予定よりも制限された形での実施となり,次年度利用額が生じた.学会等開催について現地開催(やハイブリッド開催)に戻りつつあり,また,実験実施についてもコロナ対策を施した上ででかなり制限が緩和されてきたので,旅費,人件費・謝金,(実験実施のための)物品費について,次年度以降に利用予定である.
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