研究課題/領域番号 |
21K12641
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
菊地 千一郎 群馬大学, 大学院保健学研究科, 教授 (60323341)
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研究分担者 |
土屋 謙仕 長野保健医療大学, 保健科学部, 准教授 (10807423)
福田 正人 群馬大学, 大学院医学系研究科, 教授 (20221533)
武井 雄一 群馬大学, 医学部附属病院, 講師 (30455985)
桜井 敬子 群馬大学, 医学部附属病院, 技術専門員 (40868692)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 生体医工学 / 脳機能イメージング / 高次脳機能障害 |
研究実績の概要 |
認知課題の反復計測からもたらされる馴化による脳活動低下は、脳機能検査の大きなアーチファクトとなる。反復計測が可能で、かつ、バリエーションに富む脳機能検査法の開発は、多様な病態からなる高次脳機能障害にむけた有効な対策のひとつとなる。従来の馴化しにくいとされるストループ課題以外でも、馴化に強い脳機能検査法を開発することを目的として研究を開始した。刺激課題は反復計測による馴化が確認されている後出し負けじゃんけん課題を採用した、二重課程理論による鋭敏化を強めるために、ジャンケンの手の写真提示に、恐怖を誘う音声と、陰性感情を伴う顔アイコンを同時に提示することにした。令和3年度は、研究計画の立案と倫理審査申請そして、予備実験と一部検査をおこなった。まずは、fNIRS検査用の検査デザインを作成した。上記の要素を加えた、鋭敏課を施した刺激提示プログラムと従来の感情的に中立的な刺激提示プログラムを作成した。そして、最適となる提示時間、および各刺激間の提示間隔を決定した。同時に、群馬大学人を対象とする医学系倫理審査に申請を行い、承認を得ることができた。続いて、ETG-4000よりも小規模なウェアラブルNIRS機器を用いて予備実験を行い、脳活動が賦活していることを確認した。令和3年12月から令和4年1月まで健常成人3名を対象に中立条件2名と恐怖条件1名に検査を行った。これ以上の検査についてはオミクロン株の流行により検査が中断となってしまった。同時に国内学会に参加し、脳機能検査関係で情報収集をおこなった。令和4年度は症例を追加し、中立条件8名と恐怖条件7名とした。反復計測を行ったところ中立条件に加えて、恐怖条件では活動が減少するチャンネル数が少なかった。この業績を令和4年11月に行われた臨床神経生理学会で途中報告として行った。その後例数を6例追加した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね順調であるが、強いて言えば、検査数をもう少し多めに行えた可能性がある。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度は検査を6例程度追加し、解析を行った結果を学会発表の予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた、可搬性が向上するウェアラブルNIRS機器のケースの購入を検討したが、企業に問い合わせたところ納期未定であった。そのため、市販のハードケースが使用可能であることを確認し購入したため、また、解析に必要なソフトウェアMATLABのライセンスが他の研究費にて購入できたため少なく済んだ。来年度は、この予算を別の物品購入に充てる予定である。
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