研究課題/領域番号 |
21K12644
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
近江 雅人 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (60273645)
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研究分担者 |
石川 正和 広島大学, 医系科学研究科(医), 寄附講座准教授 (60372158)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | OCT / KTN光スキャナー / 硬性内視鏡OCT / 整形外科応用 |
研究実績の概要 |
1.KTN光スキャナーOCT硬性内視鏡プローブの開発:本研究では、KTN光スキャナーによるOCT用硬性内視鏡プローブを開発した。OCTプローブはKTN2次元光スキャナーで構成される。KTN光スキャナーは1台で1軸の光スキャンを実現するため、OCTプローブでは2台のKTN光スキャナーを直列に90°回転させた配置で実装し、x軸とy軸の2軸をスキャンする構成とした。KTNスキャナーの先端部には、幹部まで光を届けるニードル状のGRINレンズを装着した。実際の動作では、プレバイアス電圧±300Vを印可してその後、600Vの交流電圧を印可してビームを走査した。この時のビームの偏向角は約130mradが得られ、これを2次元ラスタースキャンしてビームを走査させた。ビーム走査範囲として2.1×2.1mmを実現した。 2.可搬型OCTシステムと実用装置への展開:KTNを用いた2次元光スキャナープローブをOCT干渉光学系に接続し、患部へレーザー光を導光し出射するプローブとして実装した。まず、人皮膚組織として指先指紋部のOCTを取得し、3次元イメージングを構築した。さらに硬性内視鏡型OCTシステムをシステムラックに収納し、可搬型OCTシステムの実用化を連携企業と試みている。 3.変形性関節症のOCT画像解析と整形外科分野への応用:動物実験モデルを用いて骨・軟骨病変のOCTイメージの取得を検討した。マウス変形性膝関節症モデルを用いてOCTイメージを取得し、正常部と異常部位の差異の定量的解析を試みた。OCTイメージの解析ソフトを開発し、これにより関心領域(ROI)を設けてOCT画像におけるBitmap形式からCVS形式に変換し、OCT値として定量的に評価した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1.KTN光スキャナーOCT硬性内視鏡プローブの開発:KTN光スキャナーによるOCT用硬性内視鏡プローブを開発した。KTN2次元光スキャナーでは、x軸とy軸でスキャンの原点が異なるため、リレーレンズ系を構築し、出口側で2軸のスキャン原点を一致させた。KTNスキャナーの先端部には、ニードル状のGRINレンズを装着した。GRINレンズの集光系をテレセントリック系とし、ビーム走査範囲でイメージの歪みがない光学系を実現した。ビーム走査範囲として2.1×2.1mmを実現し、当初の目標を達成した。 2.可搬型OCTシステムと実用装置への展開:KTNを用いた2次元光スキャナーをサンプルプローブとしてOCT干渉光学系に接続し、患部へレーザー光を導光するプローブとして実装した。硬性内視鏡型OCTシステムをシステムラックに収納し、可搬型OCTシステムの実用化を連携企業と検討中である。 3.変形性関節症のOCT画像解析と整形外科分野への応用:小動物実験モデルを用いて骨・軟骨病変の断層像取得を行うことができた。マウス変形性膝関節症モデルを用いてOCTイメージを取得した。OCTイメージから正常部と異常部位の差異の定量的解析を行った。OCT画像の解析ソフトを開発し、関心領域(ROI)を設けてOCT画像におけるBitmap形式からCVS形式に変換し、定量的に評価することができた。初期変形性関節症の変性の一種である軟骨組織の最表層の変性をOCTで確認することができた。
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今後の研究の推進方策 |
1.KTN光スキャナーOCT硬性内視鏡プローブの開発:KTN光スキャナーによるOCT用硬性内視鏡プローブを開発した。KTN2次元光スキャナーでは、x軸とy軸でスキャンの原点が異なるため、リレーレンズ系を構築し、出口側で2軸のスキャン原点を一致させた。KTNスキャナーの先端部には、ニードル状のGRINレンズを装着した。GRINレンズの集光系をテレセントリック系とした。OCTイメージング範囲の評価のため、ビーム焦点深度とイメージング深さの定量評価を行う。 2.可搬型OCTシステムと実用装置への展開:KTNを用いた2次元光スキャナーをサンプルプローブとしてOCT干渉光学系に接続し、患部へレーザー光を導光するプローブとして実装した。硬性内視鏡型OCTシステムをシステムラックに収納し、可搬型OCTシステムの実用化を連携企業と検討する。 3.変形性関節症のOCT画像解析と整形外科分野への応用:小動物実験モデルを用いて骨・軟骨病変の断層像取得を行うことができた。マウス変形性膝関節症モデルを用いてOCTイメージを取得した。OCTイメージから正常部と異常部位の差異の定量的解析を行った。OCT画像の解析ソフトを開発し、関心領域(ROI)を設けてOCT画像におけるBitmap形式からCVS形式に変換し、定量的に評価している。今後は組織性状に着目して、光偏向特性をOCTで可視化する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
旅費に関して使用額が0%であり、コロナ禍で出張がオンライン形式にとなった影響である。本年度は出張機会も増え、旅費を使用する予定である。また、画像構築ソフト開発等にその他の予算を使用する予定である。
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