1.KTN光スキャナーOCT硬性内視鏡プローブの開発と3D-OCTの構築:本研究ではKTN光スキャナーによる硬性内視鏡OCTプローブを開発した。プローブはKTN2次元光スキャナーで構成される。KTN光スキャナーは1台で1軸の光スキャンを実現するため、光プローブでは2台のKTN光スキャナーを直列に90°回転させた配置で実装し、x軸とy軸の2軸をスキャンする構成とした。KTNスキャナーの先端部には、幹部まで光を届ける直径5㎜φのニードル状のGRINレンズを装着した。実際の動作では、プレバイアス電圧±300Vを印可しKTN結晶をチャージし、その後600Vの交流電圧を印可してビームを走査した。ビームの偏向角は約130mradが得られ、これを2次元ラスタースキャンしてビームを走査させた。ビーム走査範囲として2.1×2.1mmを実現した。x軸方向に300Hz、y軸方向に1Hzのノコギリ波電圧を駆動し、これらを同期させることにより3D-OCT画像を取得した。 2.可搬型OCTシステムと実用装置への展開:KTNを用いた2次元プローブをOCT干渉光学系に接続し、患部へレーザー光を導光し出射するプローブとして実装した。まず、人皮膚組織として指先指紋部のOCTを取得し、3次元イメージングを構築した。硬性内視鏡型OCTシステムをシステムラックに収納した可搬型OCTシステムのプロトタイプを連携企業と試作した。 3.変形性関節症のOCT画像解析と整形外科分野への応用:動物実験モデルを用いて骨・軟骨病変のOCTイメージの取得を検討した。マウス変形性膝関節症モデルを用いてOCTイメージを取得し、正常部と異常部位の差異の定量的解析を行った。OCT画像の解析ソフトをLabVIEWを用いて開発し、関心領域(ROI)を設けてOCT画像におけるBitmap形式からCVS形式に変換し、OCT値として定量的に評価した。
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