研究課題/領域番号 |
21K12645
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
森松 賢順 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (70580934)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 血圧 / 静水圧 / メカノバイオロジー |
研究実績の概要 |
血管の内皮細胞は、血圧、ずり応力、伸展等の機械刺激を受容し、細胞自身や組織の機能維持に利用している。圧力並びに、圧力に応答した分子挙動、細胞動態の定量の困難さが生じていたため、内皮細胞における圧力に対する受容応答メカニズムの解明には未だ研究の余地があった。そこで本研究計画では、定量的な圧力負荷装置と準閉鎖系システムの構築、定量化された圧力環境下での細胞及び分子動態計測と機能発現に関わる分子や遺伝子発現量の解析、を実施し、内皮細胞の圧力に対する受容応答メカニズムの解明に迫る。 本年度は、開発した静水圧刺激負荷装置を用いて、圧刺激条件下での血管内皮細胞の培養を実施した。その結果、高圧条件、大気圧条件で培養した各内皮細胞において、細胞形態の変化は観察されなかったが、血管新生に関わる遺伝子発現量の違いが見られた。これは、血管内皮細胞は、体内における血圧勾配環境に依存した圧力に対する受容応答機構を持つことを示唆した。得られたデータの再現性を確認し、血管内皮細胞の圧力受容応答シグナル伝達機構のメカニズムの提案に繋げる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
作成した圧力負荷装置を用いた細胞機能の計測に繋がり、初期段階のデータ取得に成功したため
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今後の研究の推進方策 |
論文投稿に向けた、得られたデータの再現性の検証を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は計測システムの作成にあたり、必要な経費の支出を行ったが、費用を抑えることができたため次年度使用が生じた。次年度は得られた結果をまとめ、主に学術論文の投稿や掲載の費用に使用する。
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