2022年度に73名の左心耳検体を採取した心房細動患者の術前CTの解析を行なった。心外膜脂肪のCT値を-30HU~-190HUに定義し、心筋側から心外膜脂肪の内部にかけてのCT値の変化を測定した。このCT値の変化率が高いほど、心外膜脂肪の質の変化が大きいと考えられたため、2021年度に解析した心外膜脂肪の線維化、炎症性サイトカイン、心外膜脂肪細胞径の変化と相関性を解析した。その結果、CT値の変化率は線維化および脂肪細胞径との正の相関が認められた。つまり、心外膜脂肪の組織学的な変化は、組織密度の変化として、CT画像に反映されており、CT値を測定することによって心外膜脂肪の質を評価できる可能性を見出した。
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