研究実績の概要 |
砂糖スクロース膜によるレンズおよびコーティング技術につき,複数の金型と重量濃度を用いて,安定して作製が可能な条件を探索した.スクロースをコンタクトレンズ型に成形したスクロース球面レンズは,金型を用いたキャストモールド法により作製した.スクロース(グラニュ糖,日新製糖)と,食紅で赤に着色した水を14:3の比率で混合し,電子レンジで約2分加熱して溶融する.加熱溶融して非晶質化したスクロースを金型へ流し込み,コンタクトレンズ形状に成形した.本手法により,曲率半径12mm,直径12mm,厚さ0.5mm程度のスクロース球面レンズの作製に成功した. 従来作製した直線型擦過試験機に代わり,瞬きのような球面擦過運動ができる擦過試験機を作製した.擦過試験機はスクロース球面レンズを駆動するサーボモータ部と圧力を付加するインデンタ部から構成される.サーボモータ(SF-0005, SunFounder)に固定した試料台にスクロース球面レンズを乗せ,回転往復運動する.同時にインデンタをスクロース球面レンズ表面に付加することで,相対的な球面擦過運動を実現した 上記に関する論文が精密工学会誌に掲載された. 擦過試験前後のレンズ形状の違いを精密に測定するため,USBカメラ系(L-835, HOZAN)を用い,ズームレンズ(L-815, HOZAN)で拡大して撮影した.画像処理にはPhotoshop(Adobe Systems)を使用した.これより,レンズ上の擦過痕の低りょぅ的解析が可能になった. この成果を精密工学会の2022年春季大会で口頭発表した.
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