研究課題/領域番号 |
21K12678
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
武尾 真 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 上級研究員 (50782116)
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研究分担者 |
辻 孝 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, チームリーダー (50339131)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 器官再生 / 形態形成 / リズム / 毛包 |
研究実績の概要 |
令和3年度の研究は、研究計画に沿って進捗し、下記の成果を得た。 1) 成体マウスZigzag毛の周期的形態形成タイミングの特定:マウス成体Zigzag毛の変曲点がいつ、どこで形成されるのかを明らかにするため、毛周期のさまざまな時期の毛包を含む皮膚サンプルについて組織学的な解析を行ったところ、毛球部直上において毛幹が細くなっており、色素を含む毛髄の間隔が広くなるという変曲点の特徴を示したことから変曲点は毛球部において形成されることが予想された。次に変曲点形成時期を明らかにするため、抜毛によって背部毛包の成長期を同調的に誘導し、毛幹の作られる毛母下端と各変曲点間の距離を経時的に測定した結果、変曲点は毛包再生誘導後9,12,15日目に形成されることが明らかとなった。 2) 形態形成過程の細胞および分子メカニズムの解明:変曲点形成期における毛球部細胞の動態を明らかにするため、細胞周期レポーターマウスを用いてライブイメージングを行ったところ、変曲点形成時期に毛幹に分化する毛母細胞集団の一部において不均一な細胞分裂停止集団が形成されるとともに、毛母細胞のニッチとして機能する毛乳頭細胞の形態が変化することが明らかとなった。また、毛母増殖停止細胞集団が毛幹の成長とともに角化することによって毛幹を押しつぶし、変曲点が形成されることが明らかとなった。現在変曲点形成の分子機構を明らかにするため、網羅的遺伝子発現解析と機能解析を実施中である。 3) 生体外における器官形態形成制御の実証:生体外において形態形成過程を制御することにより三次元器官の構築が可能であるか明らかにするため、胎児皮膚および成体毛包由来細胞細胞を用いた毛包の生体外構築方法の開発を行った。その結果、毛包発生時に作用するシグナル経路を活性化させることにより、生体外において再生毛包原基から成熟した毛包の形成が可能となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究項目1)では、本年度の研究により成体マウスZigzag毛幹の3回の周期的な変曲点形成タイミングを特定し、本研究項目の目的が達成された。 研究項目2)については、細胞周期レポーターマウスを用いたライブイメージングにより、変曲点形成期の毛母および毛乳頭細胞の動態に加え、セルカイネティクスも明らかにするという目的が達成された。また、CRISPR/Cas9システムと器官原基法を組み合わせた遺伝子機能解析の準備が整い、成体マウスZigzag毛幹の周期的な形態形成の分子メカニズム同定に向け、予定通り推移している。 研究項目3)については、生体外における成体毛包由来細胞からの成熟毛包形成方法が確立し、研究項目2)による分子メカニズム解明を待って、このメカニズムが生体外で再現可能か検証を行う。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究推進については、各研究項目とも順調に推移していることから、当初の計画通り研究を推進する
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