研究課題/領域番号 |
21K12679
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
王 磊 北海道大学, 化学反応創成研究拠点, 特任助教 (70637975)
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研究分担者 |
谷川 聖 北海道大学, 化学反応創成研究拠点, 特任助教 (00823353)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 癌 / 癌幹細胞 / 脳腫瘍 / ハイドロゲル / シグナル |
研究実績の概要 |
悪性脳腫瘍(神経膠芽腫Glioblastoma, GBM)は治療抵抗性が高く、再発が多く、5年生存率は8%以下と予後が極めて悪い。治療抵抗性と再発はGBMのがん幹細胞(GBM stem cell, GSC)が再増殖するため、GSCの性質を知り、特異的に標的とする治療法の開発が必要である。しかしながら、GSCはがん組織中に微量であり、症例ごとにマーカーも異なり、同一組織の中で多様性があるため研究論文は多数あるが、実臨床での治療標的には至っていない。申請者らは、北大オリジナル高機能高分子ソフト&ウェットマター(以下、高機能ハイドロゲル)を用いて高速・効率的ながん幹細胞の誘導法を開発した。本研究はこの誘導法を発展させて、Porous化した高機能ハイドロゲルを用いて、GSCニッシェを創出することで、ヒトの脳内病変を模倣したGBM組織を再構築する。そしてニッシェがGSCを制御・維持するしくみを解明し、それに基づくGSCに特異的な治療法の開発を目指す。昨年度血管内皮及び周皮細胞を用いた血管網の構築に最適なPorous高機能ハイドロゲルの創出について:ゲルの物理特性として、力学的性質および電荷密度の2点に着目した。力学的にハイドロゲルは生体軟組織と同程度の弾性率を有し、弾性率は調製可能なため、引張試験・動的粘弾性試験により培養基盤の粘弾性的性質を定量化した。物理因子を調節することで目的に血管内皮及び周皮細胞に対して最適な高機能ゲルを作成した。HEMA濃度の調整で、最適なporeサイズ(5~20μm)を探し出した。血管内皮及び周皮細胞に対して最適な培養する高機能ゲルを見出した。また、数種類の神経膠腫培養細胞株を高機能ハイドロゲル上で培養すると幹細胞様sphereを形成し、幹細胞マーカーSox2、Oct3/4、Nanogが短時間で発現亢進することを見出した。これら細胞を用いて、血管内皮及び周皮細胞を導入したPorous化高機能ハイドロゲル上の3D培養を試みる予定です。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和3年度はゲルの物理特性として、力学的性質および電荷密度の2点に着目した。力学的にハイドロゲルは生体軟組織と同程度の弾性率を有し、弾性率は調製可能なため、引張試験・動的粘弾性試験により培養基盤の粘弾性的性質を定量化した。物理因子を調節することで目的に特化した細胞に対する最適な高機能ゲルの作成に関して、EMA濃度の調整で、最適なporeサイズを探し出した。血管内皮及び周皮細胞に対して最適に培養する高機能ゲルを創出した。また、数種類の神経膠腫培養細胞株を高機能ハイドロゲル上で培養すると幹細胞様sphereを形成し、幹細胞マーカーSox2、Oct3/4、Nanogが短時間で発現亢進することを見出した。これらの細胞を用いて、血管内皮及び周皮細胞を導入したPorous化高機能ハイドロゲル上の3D培養を試みる。
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今後の研究の推進方策 |
ヒト由来GBM初代培養細胞を用いて、血管内皮及び周皮細胞を導入したPorous化高機能ハイドロゲル上に3D培養し、さらに1化学療法耐性細胞、2放射線耐性細胞、3分子標的療法の治療を行い、それぞれの耐性細胞を解析し、今後の方策では、初めてin vitroで Porous化した高機能ハイドロゲルモデルを用いて、in vitroで各治療法に共通したGBM耐性メカニズムを同定する。今後は、樹立した化学療法耐性、放射線耐性、分子標的療法耐性株について、共通の遺伝子変化の有無をマイクロアレイ解析にて検討する。マイクロアレイ解析にて得られた候補分子は、申請者らが所属する教室に保管されているグレード別のヒト脳腫瘍病理組織を用いて RT- PCR 法にて真偽の確認を行う。陽性所見を得られた分子に対しては、siRNAによるノックダウン細胞を作製して治療耐性能の低下を確認する。共通耐性メカニズムの解明に関する検討研究代表者を中心として行う。
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