研究課題/領域番号 |
21K12699
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
梅村 晋一郎 東北大学, 医工学研究科, 学術研究員 (20402787)
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研究分担者 |
西條 芳文 東北大学, 医工学研究科, 教授 (00292277)
吉澤 晋 東北大学, 工学研究科, 教授 (30455802)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 音響インピーダンス / 不安定プラーク / 反射エコー / 位相検出 / 第2高調波 / 有限要素法 / 反射体モデル |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,周囲の媒質(血液)よりも音響インピーダンスの小さな反射体(不安定プラーク)と媒質よりも音響インピーダンスの大きな反射体(安定プラーク)とを音響インピーダンスの大小により識別して検出可能とすることにある.その原理は,基本波エコー信号を自乗して得られる第2高調波エコーを参照信号として,実際に受信された第2高調波エコーの位相を検出し,位相が反転しているか否かを判定するものである.これまでの1次元系における検討では,理論計算においても,実験においても,意図の通り検出可能であることを確かめてきた.しかし,実際の3次元系では,検出困難であった. その要因を考察すると,これまでの検討において意図通り動作した対象である1次元的反射体(平面)と動作しなかった対象である3次元的反射体(球)とでは,反射における位相変化が異なることが考えられる.そこで,超音波解析用の有限要素法コード(PZFLex)を用いて,計算機上に反射体モデルを構築し,上記の点の検討を開始した.これまで,1次元的反射体(平面)・2次元的反射体(平面)・3次元的反射体(球)を,計算機上に構築し,平面波入射時の反射信号の位相を比較し,その違いを確認した.次の段階として,その反射エコー信号を遠方で受信した場合,1次元アレイ受信器・2次元アレイ受信器による受信信号の位相にどのような違いがあるかを検討する.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでの検討において意図通り動作した対象である1次元的反射体(平面)と動作しなかった対象である3次元的反射体(球)とでは,反射における位相変化が異なることを,数値計算により確かめることができた.
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今後の研究の推進方策 |
プラークを模擬した3次元的反射体からの反射エコーを1.5次元アレイ受信器で受信したときのエコー信号の位相を数値計算によって十分検討した上で,実験を行う予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
これまでの検討において意図通り動作した対象である1次元的反射体(平面)と動作しなかった対象である3次元的反射体(球)との間に,反射における位相変化が異なることが考えられた,そこで,初年度は,実験の準備として,超音波解析用の有限要素法コード(PZFlex)を用いて,計算機上に反射体モデルを構築して検討した.このため,実験に必要な費用を温存する結果になった.温存した経費は,次年度以降の実験に使用する予定である.
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