研究課題/領域番号 |
21K12703
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
皆川 茜 信州大学, 学術研究院医学系, 助教 (80467183)
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研究分担者 |
古賀 弘志 信州大学, 学術研究院医学系(医学部附属病院), 講師 (30419361)
面高 俊和 信州大学, 医学部附属病院, 助教(診療) (50793692)
若松 一雅 藤田医科大学, その他部局等, 名誉教授 (80131259)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 爪部メラノーマ / バイオマーカー / メラニン / 悪性黒色腫 |
研究実績の概要 |
臨床現場では、爪部メラノーマが疑われるため、病理検査を行うべき爪甲色素線条の症例を適切かつ効率的にピックアップするための非侵襲的検査法の確立が望まれている。本研究では、爪先端から数ミリ程度採取した爪片中に含まれるメラニン関連物質を測定し、爪部メラノーマのバイオマーカーとする新規方法の臨床的有用性について、複数の医療機関から前向きに症例を集積して検証する。すでに設定済みのカットオフ値を用い、最終診断に対する爪片中メラニン関連物質の感度特異度を測定する。 研究を遂行するため、患者からの爪片検体や臨床写真、臨床情報の収集および検体内の物質測定、物質濃度による判定結果と医師の臨床的判断との対比などに関する研究プロトコルを作成した。信州大学医倫理委員会に研究プロトコルの申請を行い、承認を得た。また共同研究機関と研究プロトコルを共有し、同様に各機関でも研究実施の許可を得た。 まず、患者からの検体情報の収集を進めるため、手順書や必要物品の準備など、信州大学側の研究体制を整えた。次に、共同研究機関に手順書と物品を配布し、研究実施の説明等を行った。 信州大学では、皮膚科を受診した爪甲色素線条および爪部メラノーマ患者の同意を得て、爪甲検体、臨床写真、臨床情報等の収集を開始した。可能な症例では、経時的に爪甲検体の採取を行い、医局保管庫に保管した。臨床情報、臨床写真を紐付けたリストを作成し、個人情報等を削除して研究IDを付与した症例リストを作成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
信州大学、および共同研究機関において、研究プロトコルを共有し、各機関における研究実施の許可を得た。信州大学では50症例以上の検体、画像、臨床情報等の収集を行った。また症例のデータ化を行った。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き検体、臨床写真、臨床情報の収集を進め、症例の蓄積を進める。爪甲検体が一定数集まったところで、検体内の物質測定を行う。さらに物質濃度と臨カルテに記載された診断との比較を行い、物質濃度の臨床的意義について検討を行う。最終的には、物質濃度のバイオマーカーとしての有用性を検証するため、物質濃度と医師の臨床判断の対応について、被験者試験を実施したいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
爪甲検体の物質測定を高率化するため、本年度は物質測定を実施しなかった。そのため、物質測定に関連する費用が未使用となっている。来年度、検体が一定数収集されたところで、まとめて物質測定を行う予定である。
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