生体軟部組織の描出に優れる屈折コントラスト画像法はX線の屈折角を弁別するアナライザの厚さが薄いほど空間解像度が向上する。現行システムでは350μm厚が限界であるため、一定の視野サイズを確保しつつ更なる薄化の可能性がある新発想のアナライザを開発して現行システムの改造を行った。 アナライザの上部にスリットを設け、これを利用してアナライザの自重で鉛直にぶら下げるタイプの開発に成功し、100μm厚で視野サイズ15mm×20mmにて均一視野とCT撮影を可能とする長時間安定性を実現した。病理標本(前立腺)を撮影したところ、腺管、腺腔、尿道、微小結石が描出され、染色した病理像に迫る画像が得られた。
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