研究課題/領域番号 |
21K12711
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
大山 彦光 順天堂大学, 大学院医学研究科, 准教授 (00407256)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ウェアラブルデバイス / デジタル / パーキンソン病 / オンライン診療 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、3次元オンライン診療の際の、3次元動作情報とウェアラブルデバイスによるデジタルモニタリング情報等を統合し、統合的デジタルデータを元にした人工知能(AI)による診療補助機能を実装することで、対面診療に劣らない診療が可能な統合的3次元オンライン診療プラットフォームを開発し、神経疾患診療のデジタルトランスフォーメーション(DX)の実現を目指すことである。 本年度は、3次元モーションスキャナーとしてAzure Kinect、Mixed realityヘッドマウントディスプレイとしてHoloLens2を用いてアップデートされた3次元オンライン診療システムを利用して、東京にある病院と金沢の介護施設の間でネットワークを構築し、遠隔地で医師と患者が3次元でオンライン医療相談をする実証実験を行い成功した。 次に、加速度計、ジャイロセンサー、地磁気計が内蔵されたウェアラブル筋電計、足圧計、脳波計、スマートフォンアプリ、モーションキャプチャーを用いたマルチデバイスによる、パーキンソン病患者におけるレボドパ製剤投与前後の筋緊張などのシグナル変化の測定を行い、20例の患者で測定を終了し、現在解析を行っている。また、ウォッチ型デバイスを用いた24時間モニタリング、リハビリテーション時の動作情報の測定を行った。すでに測定が完了し、現在解析を行っている。 さらに、これらの運動データを用いて機械学習を行いモデルを構築する研究を継続している。これらを集約し、統合的3 次元オンライン診療プラットフォームの完成を目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
アップデート後のシステムが問題なく機能しており、各研究データについても順調に取得が進んでいるため、おおむね順調に進行していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
3年度目には、3次元オンラインの実証実験を継続し、データを取得していく。 また、マルチデバイスによるパーキンソン病患者におけるレボドパ製剤投与前後の筋緊張などシグナルの変化を測定する研究および、ウォッチ型デバイスを用いたリハビリテーション運動時の動作情報の測定がすでに完了しており、データ解析をすすめ論文化を行う。さらに、これらの運動データを用いて機械学習を行い、モデル構築を行い、これらを集約し、統合的3 次元オンライン診療プラットフォームの完成を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初、令和3年度計画では、複数個所での3次元オンライン診療の実証実験を予定していたが、研究過程で設定の煩雑さなどが課題となり、1か所との間の研究を優先した。そのため、当初計画よりも通信環境整備の予算が節約できた。令和4年度では、その分を当初の予定よりも時間を要することが判明したデータ解析の費用に使用する予定である。
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