研究実績の概要 |
口腔内写真およびパノラマエックス線写真を用いた成長予測のための敵対的生成ネットワークとして、PGGAN、StyleGAN、StyleGAN2、StyleGAN2-ada、StyleGAN3、StyleGAN-XLを検討した。これらは様々なパラメータで学習され、生成画像の質をFrechet Inception Distance(FID)を用いて評価した。その結果、Batch Size 32で学習したStyleGAN-XLが最良のFIDを記録し、このモデルを用いることで最もリアリスティックな成長予測画像が得られことが明らかとなった。また、実際の画像を潜在空間に投影し、永久歯の潜在変数と線形補間を行うことにより、小児の成長過程を連続的に生成することが可能となった。これにより、潜在空間が実際の年齢を理解し、時間的な意味を持つ可能性が示唆された。 次に、現在の発育状況を評価するための歯年齢自動計算モデルを構築した。8,023枚のパノラマエックス線写真と34,798枚の永久歯歯胚の画像データセットを用いて、物体検出モデルであるScaled-YOLOv4と画像分類モデルのEfficientNetV2を学習させた。これら2つのAIモデルを組み合わせることで、単一のモデルと比較して精度の高い歯年齢の自動推定が可能となった。AIによる自動計算と4名の小児歯科医による手計算を比較したところ、平均絶対誤差が約3ヶ月という結果になり、臨床的に許容される誤差の範囲内であった。
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