研究課題/領域番号 |
21K12751
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
藤井 敬子 岡山大学, 大学病院, 助教 (40728606)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 急性移植片対宿主病 / テプレノン / Trx-1 / HSP-70 / 酸化ストレスマーカー / サイトカイン |
研究実績の概要 |
特定臨床研究「重症急性移植片対宿主病の発症抑制を目的としたテプレノン併用免疫抑制療法の開発」として立案し、認定臨床研究審査委員会に審査を依頼し承認を得た(1月17日)。jRCT公表(1月27日)、臨床研究保険加入の完了を待って、令和4年2月26日から実施となった。第1例目の症例の登録が令和4年3月1日にあり、以降3月末までに4例の登録があった。研究は現在リクルート中である。 研究計画立案にあたって、ARO支援で統計解析コンサルタントを依頼した。審査に当たって、各種申請書類の準備をおこなった。審査後の厚生労働大臣(地方厚生局)へ報告の手続き、臨床研究開始に当たって臨床研究保険への加入、モニタリング実施を行った。 本研究の概要は、当施設の血液・腫瘍内科で行うほぼ全ての移植症例において、同意取得の後テプレノン投与群、非投与群にランダム化割付けを行って、急性移植片対宿主病(aGVHD)の重症例(Grade III以上)の発症率について比較を行う。このほか、移植後100日目の生存率、GVHD重篤化の早期予測を可能とする因子の探索、テプレノンによるTrx-1、HSP-70、酸化ストレスマーカー、サイトカインの発現変化を評価する。介入は、前処置開始日より3週間、テプレノンを服用する(通常のGVHD予防は行う)。採血は移植後4週間までに4回のタイミングで行ってバイオバンクに集積し、血清・血漿に分けて保管する。80症例について症例報告書からデータの集積を行って、バイオマーカーの探索的測定や重症GVHD発症との関連性などについて統計学的解析を行って学会発表・論文化を予定する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、未承認あるいは適応外の医薬品等を用いて、新しい治療法を確立するための臨床研究「特定臨床研究」にあたり、様々な義務付けがあり、研究開始までの準備期間として多くの時間と労力を要した。しかしながら、臨床研究開始後は順調に症例の登録が進んでいる。介入群での試験薬投与、症例報告書作成、バイオバンクへ試料保管についても滞りなく捗っており、今後の集積が期待される。令和5年12月末までに80症例での症例の登録を見込んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
引き続きリクルートを進め、十分な症例登録数から症例報告書や試料(バイオバンクに保管する血液)が期待される。特定臨床研究であり、定期報告や変更・不適合などあれば都度、認定臨床研究審査委員会で審査依頼が必要となるため、都度準備を行い、審査承認後も報告や諸手続きを行っていく。最終年度の途中で登録終了となり、測定についてはいくつかに分けて行い、統計解析については情報収集・試料測定が完了後に解析を開始する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
特定臨床研究の立案、申請準備に多大な時間と労力を要した。症例のリクルートが始まったばかりで、測定に関する支出は今後予定される。
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